<金> NY金12月限は史上最高値の更新が続いた前週の流れを引き継ぎ、週明け20日に は4398ドルに達して再び史上最高値を更新。その後、暴落に転じて21日に200 ドルを超える下げ幅を記録したうえ、22日には4021.2ドルと今月13日以来の 低水準まで軟化。ただ、4000ドル割れに抵抗を見せて23日は反発に転じている。 米国での雇用情勢の軟化が警戒され、米経済不安が高まっているため、米連邦準備理 事会(FRB)の追加利下げを後押しする要因になるとの見方が強まった。 同時に予算失効による米政府の一部機関閉鎖が長引くなか、米財政及び米金融政策に 対する不安も深まった。 また、イスラエルが停戦に合意しながらもガザを空爆したことで、イスラエル情勢に 対する不安が高まるなど、地政学不安も買い支援要因になるなど、複数の要因が意識さ れるなか、NY金は幾度も史上最高値を更新する青天井の状態となっていた。 このような中でNY金が暴落に転じたのは、ドル高傾向に加え米政府機関が再開との 思惑が広がったことがきっかけとなり、高騰後の転売が膨らんだことが背景となってい る。 米雇用情勢軟化の可能性がくすぶっている。また、企業の自助努力によって輸入コス トの価格への転嫁の動きは抑制されてきたが、8月1日の相互関税の上乗せ分発動以 来、価格転嫁の動きが見られていることが伝えられていることで、今後はインフレが加 速化する可能性がある。 これまでのところ、個人消費は堅調を維持しているものの、これも一部の富裕層がけ ん引した結果との見方もあり、全体的に高い消費意欲が保たれているかという点につい ては不透明感が残る。 24日には9月米消費者物価指数(CPI)の発表を控えているが、今回の発表でイ ンフレ鈍化の兆候が示されるようであれば、28、29日の米公開市場委員会(FOM C)での追加利下げ観測を強めると見られる。 また、CPIでインフレの加速が確認出来なかった場合、米財政及、米経済に対する 不安感を払しょくする要因には乏しいことから、NY金12月限は4000ドルを下値 支持線にしての底堅い動きになりそうだ。 <銀> NY銀12月限は今月17日に5376.50セントの高値を付けた後は反落に転じ ながらも5000セントを下値支持線とする高もみとなっていた。しかし21日に大幅 安に転じ、翌22日に今月10日以来の水準となる4682セントまで値を落とした。 23日は反発に転じているものの、4900セント台では転売が見られ、目先の手じま い売り優勢と見られる動きとなっている。 太陽光パネルの電極材料などの需要増加による現物需給のひっ迫が依然として警戒さ れるが、青天井となっていたNY金が反落に転じNY銀もこれに追随する動きが見られ たことで、目先の買い一巡感が強い。 4800セントが下値支持線とされる一方、5000セントが抵抗線として意識され るなかでの高下を予想する。 <白金> NY白金1月限は16日に1770ドルと一代の高値を更新する上伸となった。その 後は急反落となり、22日に1481.2ドルと今年9月23日以来の水準まで下落。 その後は切り返し23日に1624.2ドルを記録しながらも終値ベースで1600ド ルを割り込んでいる。 1700ドル台後半までの急伸後にNY金の地合いが軟化し、これに追随する動きが 見られたことで目先の買い一巡感が強まっている。 27日の週に開催される米公開市場委員会(FOMC)での追加利下げ観測が下支え 要因ながら、チャート面から上値を抑制されそうで、1600ドル前後でのもちあいが 想定される。 <パラジウム> NYパラジウム12月限は今月16日に1695ドルまで値を伸ばしたが、その後は 急反落に転じて22日には1392.50ドルまで値を沈めている。 NY金、白金の軟調な動きに追随安となったが、1400ドルを一時的に割り込み、 その後に1400ドル台後半まで値を戻したことで売りを一巡したとも見られる。 ただ、再び値位置を切り上げるには独自の手掛かりに乏しいだけに、NY金および 白金の上昇が無ければ1500ドル前後での高下になると予想される。 MINKABU PRESS
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