NY原油市況=小幅続落、供給過剰懸念のなかベネズエラ緊迫化が下支え

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
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ニューヨーク原油(NYMEX)
              始 値     高 値   安 値  帳入値   前日比
  2026/01     57.89      58.19      57.15      57.44      - 0.16
  2026/02     57.74      58.01      56.97      57.24      - 0.21
  2026/03     57.65      57.86      56.83      57.08      - 0.27
  推定出来高        前日出来高      前日取組高 (前々日比)
     未入電              803,887             1,887,929   (+ 22,590)
                     帳入値  前日比
ヒーティングオイル  2026/01     219.80    - 3.09
                   2026/02     218.95    - 2.97
改質ガソリン        2026/01     175.21    - 0.77
                   2026/02     175.63    - 0.77

注:4本値は立会い取引終了までの値段で、立会い取引終了後の電子取引の値段は含み
  ません。電子取引が立会い取引までの高値および安値を更新した場合、相場表の高
  値および安値と市況内の相場表の4本値は異なります。
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 ニューヨーク原油は小幅続落。終値の前営業日比は、期近2限月ガ0.21〜
0.16ドル安、その他の限月は0.32〜0.22ドル安。中心限月の1月限は
0.16ドルドル安の57.44ドル。

 今週の3機関(OPEC、EIA、IEA)の月報で供給過剰が確認されて弱材料と
なるなか、この日は米株安も上値抑制要因となったが、米国とベネズエラの関係が一触
即発まで緊迫化していることで下値も支えられて、前日の安値を割り込むことはなく、
比較的小幅なもみ合いで推移した。
 1月限はアジアの時間帯の時間外取引では58ドルの節目を挟んで比較的小幅なもみ
合いが続いた。欧州の時間帯から米国の時間帯にかけて軟化したものの、安値も
57.15ドルまでで、前日の安値57.01ドルを割り込まず、後半は57ドル台半
ばまで戻した。

 米国が10日、ベネズエラからの原油タンカー1隻を拿捕し、ベネズエラ政府がそれ
を非難するなど緊張が一気に高まるなか、米国は原油タンカー6隻とマドゥロ大統領の
いわゆる「麻薬のおい」を制裁対象にしており、さらなる拿捕を行う準備を進めてい
る。米国は麻薬対策の名目でカリブ海に空母を展開し、約1万5000人の兵士を周辺
に配備しているが、麻薬撲滅を名目にベネズエラへの地上侵攻の可能性も示唆してお
り、まさに一触即発の状況となっている。
 英フィナンシャルタイムスによると、ウクライナが米国に提示した新たな和平案は
20項目に及びそれにはウクライナが2027年までにEU(ヨーロッパ連合)加盟す
ることが含まれているという。
 また13日にパリで高官級協議が行われる予定だが、トランプ米大統領は和平合意の
可能性が高くなければ米国は参加しないと意向という。
 米へ—カー・フューズによると、米国内の稼働中の原油掘削装置(リグ)数は414
基と、前週比1基増となった。

 改質ガソリン、ヒーティングオイルともに続落。ともに原油安に追随したが、とくに
ヒーティングオイルの下げ幅が大きくなった。

今日の材料
・米国、さらにベネズエラの原油タンカー拿捕や地上侵攻の可能性も示唆。まさに一触
 即発の緊迫化。
・10月のOECD商業在庫は前月比3200万バレル減=同上
・ウクライナの米国への提案の和平案に2027年までの同国のEU加盟を明記。
・13日にパリでウクライナ和平を巡る高官級協議も米国は参加しない意向。
・米国内の稼働中の原油掘削装置(リグ)数は414基と、前週比1基増
 =米ベーカー・フューズ

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