【前週のレビュー】ニューヨーク原油2月限は60ドルの節目に跳ね返さられる展開。 11日には56.85ドルの安値を付け、10月17日の安値56.11ドルが目先の 下値目標となっている。仮にこれを下回ると、一代安値の54.71ドルも射程に入っ ている。前回は5日の満月天井(60.12ドル)だったことを考えると、20日の新 月(営業日ではない)前後に底入れするような展開となるかとした。 【NY原油2月限は一代安値も視野】 ニューヨーク原油2月限は16日に54.89ドルの安値を付けた反発したが、57 ドルには届かず、本稿執筆時の19日午後には55ドル台後半で推移している。水準的 には一代安値の54.71ドルもまだ試す可能性は十分にある。前回の当欄で指摘した 新月底(ただし20日は営業日ではないためその前後)の可能性も出て来た。 材料的には、ウクライナ和平を巡る交渉が引き続き焦点となるなか、米国とベネズエ ラ関係の緊迫化が注目されている。 米当局者らの話として伝えられたところによると、ドミトリエフ露大統領特別代表が 20日からの週末に米フロリダ州マイアミを訪れ、トランプ政権のウィットコフ中東担 当特使やトランプ大統領の娘婿クシュナー氏と会談する見込み。また同時期にはウクラ イナのウメロフ国家安全保障・国防会議書記もマイアミを訪れて、ウィットコフ氏やク シュナー氏と会談する予定だが、米・露・ウクライナ代表団による三者協議は予定され ていないという。現状では、クリスマス前の電撃的な和平合意の可能性はほぼなさそう だ。 一方、米国のベネズエラ侵攻(空爆、地上侵攻)も今のところ見送られている。一触 即発の状況ではあるが、クリスマスシーズンの軍事攻撃の可能性は低そうだ。 ただ、相場が大きく動くのは予想外のことが起きた時のため、和平合意なら急落要 因、ベネズエラ侵攻なら急伸要因となり得る。 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は過去最高値から反落しているもの の、まだ高値圏のもみ合いの範疇。 ドルインデックスは17日には98ポイント台割れもあったが、その後は98ポイン ト台半ばのもみ合いで推移している。 【10月のサウジ原油輸出量、日量710万バレルと2023年4月以来の高水準】 共同石油統計イニシアチブ(JODI)が18日発表した公表した統計によると、 10月のサウジアラビアの原油輸出は日量710万バレルと、前月の646万バレルか ら増加して、2023年4月以来の高水準となった。 また、同国の原油生産量は日量約1000万バレルとなり、こちらも2年半ぶりの高 水準となった。前月は996万6000バレルだった。 【東京原油のテクニカル分析】 東京原油の6番限である5月限は底割れして17日に5万6310円の安値を付けた 後に戻して下ひげをつけ、その後はボリンジャーバンドの−2シグマ(5万7390円 辺り)を上回って推移している。 【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】 ニューヨーク原油2月限は底割れもひとまず55ドルの節目が支持線となり戻した が、18日にはボリンジャーバンドの−1シグマ(57.26ドル辺り)を上抜けずに 反落した。 ブレント原油2月限もほぼ同様の展開。60ドル台割れから戻したが、ボリンジャー バンドの−1シグマ(60.68ドル辺り)に跳ね返されて再び60ドル台を割り込ん だ。 MINKABU PRESS *投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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