【前週のレビュー】ニューヨーク原油2月限は16日に54.89ドルの安値を付けた 後に反発したが、水準的には一代安値の54.71ドルもまだ試す可能性は十分にあ る。新月底(ただし20日は営業日ではないためその前後)の可能性も出て来たとし た。 【NY原油2月限は59ドル抜けから60ドルへ】 ニューヨーク原油2月限は結局、新月の4営業日前の16日の54.89ドルの安値 で底入れしてを付けた形で反発した。本稿執筆時の26日午後には58ドル台半ばまで 戻している。5日の高値60.12ドルから前述の安値54.89ドルまでの下げ幅の 78.6%戻しがちょうど59ドル水準(ほぼボリンジャーバンドの1シグマとも重な る)となっており、59ドル水準を抜けると、一気に全値戻しの60.12ドルを試す 可能性が出て来ている。 材料的には、引き続き米国とベネズエラ関係の緊迫化が注目されている。直近では 3隻目の拿捕には失敗したようだが、ベネズエラに向かっていた制裁対象の原油タンカ ーが米沿岸警備隊の追跡を受け、進路を変えて大西洋へ退いたことが報じられており、 ベネズエラは事実上の海上封鎖の様相となっている。 また25日に米国がキリスト教迫害を理由として、米国が産油国のナイジェリア(日 量140万バレル)のイスラム過激派組織へ空爆したことを発表しており、クリスマス 明けのアジアの時間帯の夜間取引の支援材料となっている。ただ、空爆地は油田から離 れており、これがさらに買い材料となる可能性は低いだろう。 またウクライナのロシアの石油施設攻撃も続いている。直近では英国製の長距離順行 ミサイル「ストームシャドー」とウクライナの長距離無人機(ドローン)を発射して、 ロシアの石油・ガス施設数か所を攻撃したことが報じられている。 ただ、ウクライナのロシアの石油施設攻撃は今夏以降常態化しているため、そこまで 支援材料とはなっていない。 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は4万8000ドル台でさらに過去最 高値を更新する展開。 ドルインデックスはクリスマス期間に入り、こう着感が強まっており、直近は98ポ イント近辺のもみ合いとなっている。 【12月のカザフ原油の輸出、1年2カ月ぶりの低水準】 ウクライナが11月29日にロシアの黒海沿岸の石油積み出し港、ノボロシースク港 近郊にあるカスピ海パイプラインコンソーシアム(CPC)攻撃した影響で、同パイプ ラインを経由するカザフスタン原油の輸出が12月は日量114万バレルまで減少し て、2024年10月以来の低水準となる見通し。 【東京原油のテクニカル分析】 東京原油の6番限である5月限は21日移動平均線でもあるボリンジャーバンドの中 心線(5万9500円辺り)試す水準まで戻してきたが、直近はやや足踏み状況。 【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】 ニューヨーク原油2月限はボリンジャーバンドの中心線(57.82ドル辺り)を突 破して、1シグマ(58.99ドル辺り)が上値目標となってきた。 ブレント原油2月限もほぼ同様の展開。ボリンジャーバンドの中心線(61.82ド ル辺り)を上回って来た。 MINKABU PRESS *投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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