【前週のレビュー】ニューヨーク原油2月限は54.89ドルの安値で底入れして反 発。12月26日の午後には58ドル台半ばまで戻している。5日の高値60.12ド ルから54.89ドルまでの下げ幅の78.6%戻しがちょうど59ドル水準(ほぼボ リンジャーバンドの1シグマとも重なる)となっており、59ドル水準を抜けると、一 気に全値戻しの60.12ドルを試す可能性が出て来るとした。 【NY原油2月限は59ドル抜けなら60ドルへ】 ニューヨーク原油2月限は、前回の当欄で指摘した59ドルを抜けずにもみ合いとな り、安値は7日に55.76ドルまであった。しかし8日には大陽線を付けて反発し て、戻り高値は58.74ドルと、再び59ドルが射程に入って来た。本稿執筆時の9 日午後には58ドル台前半で推移している。仮にこのまま59ドルを上抜けると、ほぼ 半月の上値抵抗を抜けることになるため、60ドルを試す可能性が高くなる。 材料的には、年明け早々に米国がベネズエラを攻撃して、マドゥロ大統領を拘束し た。国際法違反との批判もあるなか、産油国の地政学的リスク懸念で急騰するという原 油に有り勝ちな相場展開とはならず、米国が自国の利益のため内政干渉してベネズエラ の石油業界を統制する動きに出ていることから比較的冷静な値動きとなった。 ただ、ベネズエラ政府が最大5000万バレルの制裁原油を米国に引き渡すことで合 意したことで、この制裁原油は本来中国向けのものとされていたため、中期的には中国 の原油輸入の他国へのシフト需要も期待できる状況となっている。また米中の緊張関係 が悪化することも避けられない状況。 直近の上昇は、米国がロシア船籍のタンカー「マリネラ」を北大西洋で、「M/Tソ フィア」をカリブ海で拿捕したことや、昨年末から続くイランでの反体制の抗議行動が 激化していることで中東の地政学的リスク増大との見方が強まったことが背景となっ た。 前者の拿捕はベネズエラ原油に絡んだものとされているが、ロシアとウクライナの和 平交渉に悪影響をもたらすのは必至で、実際、ロシア軍が8日にウクライナ西部リヴィ ウに対し中距離弾道ミサイル「オレシュニク」を使用して攻撃した。またキーウも攻撃 され3人の死者が出たことが報じられている。在ウクライナの米大使館が8日、今後数 日中に大規模な空襲の可能性があることを警告している。 ロシアは同じ8日、パリで提示された停戦後の安全保障案を拒否して、ウクライナ領 内の多国籍部隊は正当な攻撃対象と指摘した。 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は過去最高値水準で騰勢を維持してい る。市場には5万ドル台乗せが目標とされるている。 ドルインデックスはおおむねジリ高基調続く、直近は99ポイントが射程に入ってい る。 【原油はファンドの年次リバランスで買われる可能性も】 材料以外で無視できないのは、ファンドの商品指数の年次リバランス(ウエート見直 し)。ブルームバーグが銀先物に今後数十億ドルの売り物が出る可能性を指摘している が、逆に原油には資金が流入して買われるとの見方が出ている。 【東京原油のテクニカル分析】 東京原油の6番限である6月限はボリンジャーバンドの−2シグマ(5万6960円 辺り)試した後、9日の大陽線で一気に1シグマ(5万9450円辺り)を試した。 【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】 ニューヨーク原油2月限は12月下旬以降、ボリンジャーバンドの−1シグマ (56.33ドル辺り)〜1シグマ(58.20ドル辺り)の間のもみ合いとになって いるが、直近は高値で1シグマを試した。 ブレント原油2月限も似たような値動きだが、8日の大陽線でボリンジャーバンドの −1シグマ(61.76ドル辺り)から一気に2シグマ(62.68ドル辺り)を試し た。 MINKABU PRESS *投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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