石油週間展望=NY原油は60ドル目指すか、リバランス買いの可能性も

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
            [1月12日からの1週間の展望]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
         週間高低(カッコ内は日付)    1 月 5 日〜 1 月 9 日
                始  値    高  値        安  値       帳入値    前週末比
ガソリン  先限   72,000    80,000( 9)    72,000( 5)   80,000     +8,000
灯  油  先限   86,000    86,000( 5)    86,000( 5)   86,000        ±0
原  油 6月限   59,300    59,650( 9)    56,950( 7)   59,590        +590
======================================
                                       1 月 5 日〜 1 月 8 日
<海外原油> 週間4本値 始 値   高  値     安 値     終 値   前々週末比
  NY原油  2 月限     57.47    58.87( 6)   55.76( 7)   57.76      +0.44
ブレント原油 3 月限     60.99    63.02( 8)   59.75( 5)   61.99      +1.24
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
9日 東京時間の午後3時15分現在 ドル・円 年末比 1.11円の円安
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【前週のレビュー】ニューヨーク原油2月限は54.89ドルの安値で底入れして反
発。12月26日の午後には58ドル台半ばまで戻している。5日の高値60.12ド
ルから54.89ドルまでの下げ幅の78.6%戻しがちょうど59ドル水準(ほぼボ
リンジャーバンドの1シグマとも重なる)となっており、59ドル水準を抜けると、一
気に全値戻しの60.12ドルを試す可能性が出て来るとした。

【NY原油2月限は59ドル抜けなら60ドルへ】
 ニューヨーク原油2月限は、前回の当欄で指摘した59ドルを抜けずにもみ合いとな
り、安値は7日に55.76ドルまであった。しかし8日には大陽線を付けて反発し
て、戻り高値は58.74ドルと、再び59ドルが射程に入って来た。本稿執筆時の9
日午後には58ドル台前半で推移している。仮にこのまま59ドルを上抜けると、ほぼ
半月の上値抵抗を抜けることになるため、60ドルを試す可能性が高くなる。

 材料的には、年明け早々に米国がベネズエラを攻撃して、マドゥロ大統領を拘束し
た。国際法違反との批判もあるなか、産油国の地政学的リスク懸念で急騰するという原
油に有り勝ちな相場展開とはならず、米国が自国の利益のため内政干渉してベネズエラ
の石油業界を統制する動きに出ていることから比較的冷静な値動きとなった。
 ただ、ベネズエラ政府が最大5000万バレルの制裁原油を米国に引き渡すことで合
意したことで、この制裁原油は本来中国向けのものとされていたため、中期的には中国
の原油輸入の他国へのシフト需要も期待できる状況となっている。また米中の緊張関係
が悪化することも避けられない状況。
 直近の上昇は、米国がロシア船籍のタンカー「マリネラ」を北大西洋で、「M/Tソ
フィア」をカリブ海で拿捕したことや、昨年末から続くイランでの反体制の抗議行動が
激化していることで中東の地政学的リスク増大との見方が強まったことが背景となっ
た。
 前者の拿捕はベネズエラ原油に絡んだものとされているが、ロシアとウクライナの和
平交渉に悪影響をもたらすのは必至で、実際、ロシア軍が8日にウクライナ西部リヴィ
ウに対し中距離弾道ミサイル「オレシュニク」を使用して攻撃した。またキーウも攻撃
され3人の死者が出たことが報じられている。在ウクライナの米大使館が8日、今後数
日中に大規模な空襲の可能性があることを警告している。
 ロシアは同じ8日、パリで提示された停戦後の安全保障案を拒否して、ウクライナ領
内の多国籍部隊は正当な攻撃対象と指摘した。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は過去最高値水準で騰勢を維持してい
る。市場には5万ドル台乗せが目標とされるている。
 ドルインデックスはおおむねジリ高基調続く、直近は99ポイントが射程に入ってい
る。
【原油はファンドの年次リバランスで買われる可能性も】
 材料以外で無視できないのは、ファンドの商品指数の年次リバランス(ウエート見直
し)。ブルームバーグが銀先物に今後数十億ドルの売り物が出る可能性を指摘している
が、逆に原油には資金が流入して買われるとの見方が出ている。

【東京原油のテクニカル分析】
 東京原油の6番限である6月限はボリンジャーバンドの−2シグマ(5万6960円
辺り)試した後、9日の大陽線で一気に1シグマ(5万9450円辺り)を試した。

【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油2月限は12月下旬以降、ボリンジャーバンドの−1シグマ
(56.33ドル辺り)〜1シグマ(58.20ドル辺り)の間のもみ合いとになって
いるが、直近は高値で1シグマを試した。

 ブレント原油2月限も似たような値動きだが、8日の大陽線でボリンジャーバンドの
−1シグマ(61.76ドル辺り)から一気に2シグマ(62.68ドル辺り)を試し
た。
<当面の予定>
12日【休日】成人の日

13日【経済】国際収支(経常収支) 2025年11月(財務省)
   【経済】対外及び対内証券売買契約等の状況 2025年12月(財務省)
   【経済】景気ウォッチャー調査 2025年12月(内閣府)
   【経済】米消費者物価指数 2025年12月(労働省)
   【経済】米新築住宅販売 2025年10月(商務省)
   【工業】米週間石油統計(API)

14日【経済】マネーストック 2025年12月(日本銀行)
   【経済】中国貿易収支 2025年12月(税関総署)
   【経済】米住宅ローン申請指数(MBA)
   【経済】米経常収支 2025年7-9月期(商務省)
   【経済】米小売売上高 2025年11月(商務省)
   【経済】米生産者物価指数 2025年11月(労働省)
   【経済】米企業在庫 2025年10月(商務省)
   【経済】米中古住宅販売統計 2025年12月(全米不動産協会)
   【経済】米地区連銀経済報告・ベージュブック(FRB)
   【工業】米週間石油統計(EIA)

15日【経済】企業物価指数 2025年12月(日本銀行)
   【工業】原油・石油製品供給統計週報(石油連盟)
   【工業】石油製品給油所小売価格調査(資源エネルギー庁)
   【経済】ユーロ圏鉱工業生産 2025年11月(EUROSTAT)
   【経済】ユーロ圏貿易収支 2026年11月(EUROSTAT)
   【経済】仏消費者物価指数 2025年12月確報(INSEE)
   【経済】英貿易収支 2025年11月(国立統計局)
   【経済】英鉱工業生産指数 2025年11月(国立統計局)
   【経済】米貿易収支 2025年11月(商務省)
   【経済】米新規失業保険申請件数(労働省)
   【経済】米輸出入物価指数 2025年11月(労働省)
   【経済】米製造業景況指数 2026年1月(ニューヨーク連銀)
   【経済】米製造業景況指数 2026年1月(フィラデルフィア連銀)

16日【経済】対外及び対内証券売買契約等の状況 1月4日-1月10日(財務省)
   【経済】小売業販売額 2025年11月確報(経済産業省)
   【経済】独消費者物価指数 2025年12月確報(連邦統計庁)
   【経済】米鉱工業生産・設備稼働率 2025年12月(FRB)
   【商品】米建玉明細報告(CFTC)
    【工業】全米石油堀削稼動数(米ベーカーフューズ)

MINKABU PRESS

*投資や売買については御自身の判断でお願いします。

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。