貴金属4品週間見通し=NY金は地政学不安や逃避買い需要受け値位置を維持

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
<金>
 NY金2月限は昨年12月26日に4584ドルを付けて高値を更新した後に大きく
値を落とした。その後は徐々に値位置を切り上げ、今月5日以降は、4500ドル台を
記録したが、4500ドル台は定着できず、4400ドル台での高下が続いている。
 米国によるベネズエラ攻撃と大統領のマドゥロ氏拘束が地政学不安を一気に高めてい
る。特に今回の米国の軍事行動は、ウクライナとロシア、中国と台湾での大国側の軍事
行動を正当化する根拠となりかねず、地政学不安が世界的に強まる可能性が懸念され
る。
 また、米国側は麻薬の流入を阻止することが目的としつつも、この行動は3000億
バレルを超え世界最大とされるベネズエラの原油埋蔵量を狙ったもの、との声も聞かれ
ている。
 ベネズエラにはロシア・中国の石油利権があるが、米国によるベネズエラへの圧力が
高まれば、この両国の石油利権に影響を与える可能性もある。そうなれば米国とロシ
ア・中国との間の緊張が高まる恐れもある。
 この地政学不安の高まりは安全資産としての金を求める動きを刺激するが、同時に先
行きの見えないトランプ大統領による政権運営を受けてドル離れの動きが更に広がるな
か、代替資産として公的機関による金を求める動きも引き続き値強く見られることにな
りそうだ。
 また、地政学不安の高まりは世界的に資源を確保しようする動きも刺激すると同時に
AI関連企業の好業績を受けて設備投資がさらに活発化するとの見通しが強まってい
る。これが非鉄貴金属の高騰を促し、株式市場でもハイテク関連株や資源関連株の上昇
が見られているが、金市場でも非鉄貴金属や株価の上昇が買い支援要因となっている。
 これに加え株価や非鉄貴金属の高騰後の反動安に備えた安全資産としての需要も金を
求める動きを刺激する要因になってくると見られる。
 米経済に対してくすぶる不安もあって、NY金2月限は再び4500ドル台をうかが
う期待感が強いなか、4400ドル台での高下が続くと見られる。
<銀>
 NY銀3月限は昨年12月29日に8267セントの史上最高値を付けた。今年に入
ってからは急反落となっているが、8日は7761.3セントで引けており、依然とし
て史上最高値圏で高下している。
 太陽光発電や電気自動車(EV)など、世界的に二酸化炭素排出削減の動きが広がる
なか、銀は工業用としての需要が集まり、供給不足が懸念されていることが高騰の背景
となっている。
 ロンドンの現物市場の在庫ひっ迫を受けて需給引き締まりが警戒されるなか、再び
8000セントに値を伸ばす可能性があるなかでの高もみ継続が想定される。
<白金>
 NY白金4月限は昨年12月29日に2584.5ドルの高値を付けた後に急反落と
なったが、12月31日の2000ドル割れ場面は買い戻された。今年に入ってから
2400ドル台では戻り売りを浴びたが、2200ドル割れは買い拾われ、押し目買い
意欲の強さは感じられる。
 世界的に脱炭素の動きが広がるなか、電気自動車(EV)用などの産業用としての需
要の増加を受けた需給引き締まり観測が価格高騰の背景となった。
 工業用として消費される銀や他非鉄貴金属の高騰もあり、2200ドル割れは買い拾
われるとみるが、ワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)
は2026年度の需給緩和を予測していることを留意しておきたい。
<パラジウム>
 NYパラジウム3月限は昨年12月29日に2129ドルの高値を付けた後は反落に
転じ、今年に入ってからは1800ドルを前後する動きが続いている。
 白金を始め、他貴金属の高騰が下支え要因ながら、独自の需給要因に欠けることが上
値抑制要因であり、引き続きもちあうと予想される。
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