石油週間見通し=NY原油は半年ぶりの高値達成、イラン攻撃が引き続き焦点

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週のレビュー】ニューヨーク原油3月限はもみ合いとなってきたが、米国が空母を
中東に派遣中で、いずれイランを攻撃することは既定路線と見る向きが多く、引き続き
イラン関係は波乱含みと見ておきたいとした。

【NY原油はほぼ半年振りの高値達成】
 ニューヨーク原油3月限は一気に騰勢を強めてきた。29日には一時66.48ドル
まで急伸して、昨年7月30日の高値66.49ドルをほぼ半年振りの高値を達成し
た。次の上値目標としては昨年6月23日の69.80ドルとなるが、すでに29日の
うちに高値から1ドル程度崩れて、本稿執筆時の30日の午後には64ドル台前半まで
さらに大きく崩れていることから、目先の天井を付けた可能性も浮上している。前述の
69.80ドル試しは、米国のイラン攻撃が実際に行われた場合などに限られそうだ。
 日柄的には2月2日が満月であり、その辺りで目先の天井を付ける可能性があるとみ
ていたが、それが前倒しで来ているのか否か、2月上旬の値動きに注目したい。

 材料的には、さらにドル安が進展したことに加えて、米原子力空母、エーブラハム・
リンカーンが中東の海域に到着して再び米国とイランの緊張が高まっていることや、米
国の厳しい寒波で、原油生産量が全体の約15%に当たる日量200万バレルも減産し
たことが、上昇局面で支援材料となった。とくに米国とイラン問題は一触即発の状況と
なっており、年始のベネズエラ攻撃のようにいつ米国の攻撃の一報が報じられてもおか
しくない状況となっている。

 また油田火災で一時稼働が停止していたカザフスタンについては、テンギス油田(日
量100万バレル)は稼働再開したが、2月7日辺りまでは通常の半分程度の操業が続
く見込みとされている。
 また、業界関係者は、12月のウクライナの黒海施設攻撃で、カザフ原油の80%を
輸出するカスピ海パイプライン・コンソーシアム(CPC)が損傷したことで、合計で
4000万バレル(テンギス油田の生産能力の40日分)超の原油が失われたと見込ん
でおり、今年の世界石油の供給過剰はこれまでの見通しより下方修正される可能性を指
摘している。

 なお、2月1日に石油輸出国機構(OPEC)プラスの有志8カ国が会合する予定だ
が、ロイター通信の事前調査によると、3月も増産停止で合意する見込みで、原油相場
的には無風通過となる見込み。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は過去最高値を抜けるような状況では
ないが、まだ高値圏からは崩れずにもみ合いが続いている。
 ドルインデックスは底割れして、一時96ポイント台を割り込んだものの、その後は
戻して直近は96ポイント台半ばで推移している。
【米国とイランは一触即発の状況続く】
 トランプ米大統領は28日、核合意を巡る交渉再開をイランに要求して、応じなけれ
ば攻撃も辞さない旨の警告を行った。米国が昨年6月にイランの核施設を急襲したこと
は記憶に新しいが、「次の攻撃ははるかに甚大なものになる」と威嚇している。一方、
対話を求めるようなコメントも繰り返しているが、双方がどこまでエスカレートするの
か、あるいは妥協点を見出すのか目先は目を離せない状況が続きそうだ。
【東京原油のテクニカル分析】
 東京原油の6番限である6月限は高値更新。ただ円高が進展した分だけ海外原油に比
べると上値は抑えられている。30日には6万4390円の高値を付けたものの、引け
はそこから1000円以上崩れて、ボリンジャーバンドの2シグマ(6万3900円辺
り)を割り込んだ。

【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油3月限は青天井化のランナウエイ相場。29日の高値は66.48
ドルまであり、引けも65ドルの節目やボリンジャーバンドの2シグマ(64.24ド
ル辺り)を大きく上回った。

 ブレント原油4月限も同様のランナウエイ相場。29日には70.58ドルまで急伸
して、一時70ドル台に乗せた。ザラバでの4月限の70ドル台乗せは昨年6月以来と
なる。

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