<金> NY金4月限は今月20日以降はほぼ連日、高値を更新し29日に5626.8ドル まで上伸。年初の取引を4377.4ドルで開始しているため、約1か月で1250ド ル近い上げ幅を記録している。急伸の背景は米国を震源地とする地政学不安、FRBの 独立性への懸念など、米国に発する懸念を受けて高まる逃避買い需要が挙げられる。 年初早々にベネズエラの首都を軍事攻撃しマドゥロ大統領を拘束したうえ、デモが拡 大するイランでデモへの支持を自身が運営するSNSで表明した。グリーンランドの領 有を主張し、欧州諸国8か国がグリーンランドに軍隊を派遣する事態に至っている。 米国のグリーンランド領有については、将来の合意の枠組みについて合意した、とト ランプ大統領が発表したことで、落ち着きを見せているものの、米国がグリーンランド 領有に強く主張したことで米国と欧州の信頼関係が揺らいでいる。 これら一連の政策は、米国が12月に発表した国家安全保障戦略(NSS)に基づく 行動だが、これはトランプ政権は自国の利益のためであれば世界秩序を軽視する可 能性があることを世界に示すものとなっている。 この動きは米国内でも見られ、トランプ大統領は米連邦準備理事会(FRB)に利下 げを求めているほか、クックFRB理事の解任やパウエルFRB議長の刑事告訴などが 明らかとなっている。これらの動きはFRBの独立性を揺るがしかねないうえ、米国の 金融政策の中枢となる機関の独立性が疑問視されることは米ドルの信認低下を促してい る。 米政府機関の閉鎖問題が再浮上していることも米国の信認を引き下げる要因となって いる。従来は米国債、米ドル、金が有事の際の安全資産とされてきたが、米国が震源地 となる地政学不安の台頭や米国への信認の低下により米国債・米ドル離れの動きが進む 一方、金への資金流入の動きが活発化している。 金価格が史上最高値を更新し続けるなかでもSPDRの金ETF残高は22年5月以 来の高水準まで増加しており、金への投資意欲は衰えを見せない。 米国債・米ドルを外貨準備として保有してきた公的機関による安全資産を求める動き も金価格を押し上げる要因となるなか、NY金4月限は再び史上最高値を更新する可能 性があるなかでの高値圏での往来が想定される。 <銀> NY銀3月限は29日の取引で1万2178.50セントに達して史上最高値を更 新。工業用としての需要の増加に加え、安全資産を求める動きがNY金を押し上げたこ とに追随する買いが見られた。 29日の取引では高値を離れて終えており、チャート面では目先の高値に一服感が強 い。ただ、世界的に地政学不安が高まると同時に米国に対する信認の低下やドル離れの 動きが安全資産を求める動きを活発化させているだけに底意は強そう。目先は1万 1000〜1万2000セントのレンジを中心に高下か。 <白金> NY白金4月限は1月26日に2925ドルの高値に達した後に急落に転じながらも 2600ドルを下抜くと買い戻される底固い動きとなっている。 電気自動車(EV)に対する根強い需要などが予想されるうえ、世界的に強まる地政 学不安や米国に対する信認の低下などが下支え要因ながらも、26年は需給緩和が見込 まれていることが上値抑制要因となっている。金、銀の値動きに左右されやすいが、 2300〜2700ドルのレンジ内で荒い値動きが予想される。 <パラジウム> NYパラジウム3月限はNY白金高に連動して2195.50ドルの高値を今月26 日に付けた。その後は急反落に転じて一時は1867ドルまで下落したものの、安値を 買い拾われて再浮上している。 29日には2172.50ドルまで上昇したところで転売が見られており、上昇に対 する抵抗の強さを窺わせる動きとなっている。白金の高もみが見込まれることもあり、 これに追随する動きが想定される。 MINKABU PRESS
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