金・銀週間展望=調整含み、米政府閉鎖回避見通しや次期FRB議長発表で

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [2月2日からの1週間の展望]
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   週間高低(カッコ内は日)   2026 年 12 月限  1 月 26 日〜 1 月 30 日
        始 値   高 値    安 値    帳入値   前週末比
  金          26,280    28,498 (29)   25,964 (26)     26,590         +155
  銀           501.1     600.0 (30)    501.1 (26)      570.5        +55.5
 プラチナ      12,793    13,779 (26)   11,568 (30)     11,681       -1,169
 パラジウム    10,300    10,300 (26)   10,000 (28)     10,000         +300
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  NY貴金属(カッコ内は限月)      | 東京外為・株式/NY原油
        29  日終値  前週末比  |        終 値      前週末比
  金       ( 4) 5,354.8    +337.8   | ドル・円    153.95      4.80 円高
  銀       ( 3)11,442.9   +1309.6   | 日経平均  53,322.85       -524.02
 プラチナ   ( 4) 2,618.3    -123.0   | NY原油 ( 3)  65.42         +4.35
 パラジウム ( 3) 2,018.60     -9.00  |* ドル・円は15時45分現在、原油は 29日
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【前回のレビュー】
 金は地政学的リスクが支援要因、とした。
 金は米政府機関の一部閉鎖の可能性やイラン情勢に対する懸念、トランプ米大統領の
発言による先行き不透明感、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の独立性発言を
受けて買い優勢となった。現物相場は史上最高値5591.73ドルを付けた。金先限
は上場来高値2万8498円を付けた。
 米民主党上院トップのシューマー院内総務は、共和党が国土安全保障省への予算削減
に同意しない限り、大規模な歳出法案を阻止すると表明した。米ミネソタ州ミネアポリ
スで24日、連邦当局の職員が米国市民とみられる男性に発砲し、男性は死亡した。ホ
ワイトハウス当局者は29日、米政府機関を再び閉鎖する事態を回避するために、トラ
ンプ米大統領が共和・民主両党の議員と取り組んでいると述べた。移民法執行の制限案
を議論する時間を確保するため、国土安全保障省の予算について短期的なつなぎ措置が
協議された。ただ米上院は、2026会計年度の予算案に関する動議を否決した。米上
院民主党は、31日から始まる可能性があった政府機関閉鎖を回避し、米政権の移民取
り締まりに対する新たな制限を巡る交渉の時間を確保することで合意した。国土安全保
障省関連の歳出は暫定的に2週間延長し、移民取り締まりを巡る交渉の時間を確保す
る。
 米国とイラン間の緊張が高まるなか、米原子力空母「エイブラハム・リンカーン」と
数隻の誘導ミサイル駆逐艦が中東地域に到着した。トランプ米大統領はイランに対し、
核開発問題を巡る合意に向けた交渉に応じるよう改めて要求した上で、米国による次の
攻撃は「はるかに甚大なものになる」と警告した。ヘグセス米国防長官は29日、米大
統領がイランについていかなる決断を下そうと、米軍には実行する準備が整っていると
述べた。ただ米大統領は、記者団に対し、イランと話し合う予定だと明らかにした。時
期などの詳細には触れなかった。一方、イランの精鋭部隊「イスラム革命防衛隊(IR
GC)」の海軍部隊は2月1〜2日にホルムズ海峡で実弾射撃演習を行う。
 トランプ米大統領は、ドルが下がりすぎていないかという記者団からの質問に対し、
ドルは好調に推移しており「ドルの価値は素晴らしい」と応じた。市場ではドル安を容
認する発言と受け止められた。ただベセント米財務長官は「米国は常に強いドル政策を
取ってきた」と述べた上で、円高・ドル安を狙った為替介入の可能性について「絶対に
ない」と否定した。一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド
(FF)金利誘導目標を3.50〜3.75%に据え置くと決定した。インフレの高止
まりと堅調な経済成長を踏まえた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、FR
Bは独立性を失っていないとし、今後もFRBの独立性が損なわれることはないと述べ
た。米大統領は次期FRB議長を30日に発表するとしており、独立性問題に対する見
方も確認したい。
【金ETF残高は小幅減少】
 世界12カ国に上場している金ETF(上場投信)の現物保有高は29日時点で
1271.44トンとなり、前週末比0.19トン減少した。英GBSで0.09ト
ン、英ETFSで0.21トン減少、南アで0.11トン増加した。投資資金が流入す
る場面も見られたが、ドル安一服を受けて利食い売りが出た。一方、米商品先物取引委
員会(CFTC)の建玉明細報告によると、1月20日時点のニューヨーク金の大口投
機家の買い越しは24万4770枚となり、前週の25万1238枚から縮小した。今
回は手じまい売りが411枚、新規売りが6057枚出て、6468枚買い越し幅を縮
小した。
 ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)のゴールド・ディマンド・トレンズによ
ると、2025年の金総需要は初めて5000トンを上回った。投資需要が主導した。
金ETF(上場投信)保有量は801トン増加、地金・コイン購入も1374トンと
12年ぶりの高水準となった。安全資産としての需要と分散投資が、価格上昇に連動し
た動機と相まって、年間を通じた投資の主要因となった。中央銀行による863トンの
購入は、当社が予測した2025年までのレンジの上限に達した。ただ購入は直近のペ
ースからは減速している。金価格が連続して過去最高を更新する環境下では、宝飾需要
の減少は予想通りであった。しかし、金宝飾品に対するセンチメントは非常に良好なま
まであり、世界的な需要額が18%増加し、過去最高の1720億ドルに達した。電子
機器分野の混乱にもかかわらず、AI関連アプリケーションの継続的な成長に支えら
れ、エレクトロニクス向けの需要は安定した。
【銀も史上最高値更新が続く】
 銀の現物相場は史上最高値121.35ドルを付けた。地政学的リスクや金堅調、ド
ル安が支援要因になった。金銀比価が50を割り込み、2012年3月以来の低水準と
なった。米政権の関税政策を受けて景気の先行き不透明感が残るが、ドル安や地政学的
リスク、米連邦準備理事会(FRB)の独立性問題などを受けて投資需要が増加したこ
とが銀価格を押し上げている。
 29日のニューヨークの銀ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比566.62
トン減の1万5523.36トンとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)
の建玉明細報告によると、1月20日時点のニューヨーク銀の大口投機家の買い越しは
2万5214枚となり、前週の3万2060枚から縮小した。
当面の予定(イベント・経済統計)
2日 中国製造業購買担当者景況指数 2026年1月(RatingDog)
   ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2026年1月確報(Markit)
   独小売売上高 2025年12月(連邦統計庁)
   米製造業景況指数 2026年1月(ISM)
3日 キャッシュレートターゲット公表(オーストラリア準備銀行)
4日 中国サービス業購買担当者景況指数 2026年1月(RatingDog)
   ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2026年1月確報(Markit)
   ユーロ圏購買担当者総合景況指数 2026年1月確報(Markit)
   ユーロ圏消費者物価指数 2026年1月速報(EUROSTAT)
   全米雇用報告 2026年1月(ADP)
   米製造業新規受注 2025年12月(商務省)
   米非製造業景況指数 2026年1月(ISM)
5日 独製造業受注 2025年12月(経済技術省)
   ユーロ圏小売売上高 2025年12月(EUROSTAT)
   理事会結果公表(ECB)
   英政策金利公表(BOE)
   米貿易収支 2025年12月(商務省)
   米新規失業保険申請件数(労働省)
6日 ●ニュージーランド(ワイタンギデー)
   全世帯家計調査・消費支出 2025年12月(総務省)
   独貿易収支 2025年12月(連邦統計庁)
   独鉱工業生産指数 2025年12月(経済技術省)
   米雇用統計 2026年1月(労働省)
   米消費者信頼感指数 2026年2月速報値(ミシガン大)
   米消費者信用残高 2025年12月(FRB)
   建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行
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