ドル円はやや買い優勢も106円台には慎重=NY為替前半

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 きょうのNY為替市場、ドル円はNY時間に入ってやや買いが優勢となっている。米株が上昇していることがサポートしているで、一時106円ちょうど付近まで上昇している。ただ、上値を積極的に追う動きまでは見られず106円台には慎重さも見られる。

 2-10年債の逆イールドはきょうも継続しており景気後退への懸念は根強い。一方できょうはポンドを中心に欧州通貨の下落が見られ、相対的にドル買いの流れがドル円をサポートしているようだ。本日は米経済指標の発表も無く手掛かり材料に乏しい中、次のアクションを待ちたい雰囲気もうかがえる。

 今週は一時105円を割り込む動きも見られたものの、直ぐに買い戻されている。105円を割り込むとショート勢による達成感からの買い戻しが強まるようだ。いまのところ105円割れを再び試す動きは見られていないが、106円台に入ると売り圧力も強まるようで、市場は依然として下値模索を続けているものと思われる。

 ユーロドルは1.10ドル台後半での狭い範囲での振幅が続いている。イタリア民主党(PD)のジンガレッティ書記長はマッタレッラ大統領との会談で、コンテ首相の続投を支持した。連立協議に進展が見られている模様で、あとは五つ星運動のディマイオ党首が副首相に留まることに固執しており、それがネックになっているもよう。

 しかし、連立政権発足への期待は高まっており、イタリア国債は買いが強まっている。イタリア10年債利回りは過去最低に低下している状況。

 ただ、ユーロはさほどポジティブな反応は見せていない。イタリアに関しては織り込んでいる節もあり、あまり材料視されていない模様。むしろ連立政権を維持できるかに注目しているようで今後の課題となる。

 先週末に米中対立のエスカレートを材料にユーロドルは1.11ドル台半ばまで上昇する場面があった。しかし、今週に入るとその上げを解消する動きが続いている。米中対立は中国への輸出に大きく依存しているドイツ経済への悪影響も大きいことを市場は次第に意識し始めているほか、素直にドル売り・ユーロ買いには動けなくなっているのかもしれない。

 ポンドドルはNY時間に入って買い戻しも見られ、一時1.2250ドル付近まで戻している。しかし、ロンドン時間の前半には1.2280付近から1.2155ドル付近まで一気に125ポイント程度急落する場面が見られた。ジョンソン英首相が、9月12日から10月14日の女王演説まで議会を休会とすることをエリザベス女王に求めると述べたことが嫌気されていた。合意なき離脱を阻止しようとする議員らの動きを封じることが目的と見られている。

 ただ、市場は依然として10月31日の離脱期限までに合意できると楽観的に見ているようで、ポンドも以前ほど下押しする展開にはなっていない。いまのところポンド安は限定的だ。一部からは、議会休会の動きが逆に、EU当局者が合意の変更を許可するよう促すかもしれないとの見方も出ている。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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