【これからの見通し】不安定な相場展開、株式市場にらんだ動きに 週明けからマーケットはリスク回避ムードを強めている。米中貿易戦争に加えて、昨日は香港の民主化デモの影響で香港国際空港の全便が運休となる事態、アルゼンチンのポピュリズム化を警戒して同国通貨ペソが暴落するなど不安材料が続出している。その他にも、イタリアの政局不安が再燃、英国の合意なき離脱の現実化のおそれなど問題は山積している。 米9月FOMC会合での連続利下げの期待は強まっているが、株式市場はリスク材料に耐え切れず売り圧力にさらされている。ドル円が一時105円割れ目前となったことなどで日本株にも売りが広がっており、TOPIXは年初来でマイナスに転じた。 きょうの東京市場では、ドル円は昼にかけて105.58レベルまで反発した。実需による円売りが持ち込まれたもよう。世界中の主要な債券利回りが低下傾向を示すなかで、機関投資家は運用難となっている。早めに比較的金利水準の高い外国債券を仕込んでおきたいとの動きもあるもよう。円高が進行するタイミングを見計らって投資チャンスを狙っているようだ。ただ、足元では再び105円台前半へと押し戻されてきている。 この後の海外市場では、まずは欧州株および米株先物(時間外取引)の動向をにらんだ展開となりそうだ。株安の動きが再燃すれば、ドル円が再び105円台割れを試す局面が想定される。 経済指標発表は、英ILO雇用統計(6-8月期)、独ZEW景況感指数(8月)、米消費者物価指数(7月)などの発表が予定されている。英雇用統計では賃金動向が注目される。週平均賃金の伸びは前年比+3.7%と予想されており、前回の+3.4%から伸びが加速する見込みとなっている。独ZEW景況感指数は、-28と、前回の-24.5から一段と弱い数字が予想されている。米消費者物価指数は、前月比+0.3%、前年比+1.7%と予想されており、いずれも前回値からは伸びが高まる見込み。一方、コア指数では前月比+0.2%、前年比+2.1%とほぼ前回並みの伸びにとどまる見込み。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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