【これからの見通し】ドル円の上値重い、週末控えた動きに警戒感も 昨日の米株式市場は反発した。ダウ平均は371ドル高で取引を終えている。この流れを受けて今日の東京市場では日経平均が91.47円高と続伸して取引を終えた。人民元の急落の動きは落ち着いてきている。日々発表される中国人民銀による人民元基準レートが市場予想ほどは元安に設定されないことが好感される面が指摘された。ただ、市場の後追いの格好で、連日、基準レートは元安方向に誘導されている点は見逃せないだろう。 また、中国が米国産農産品の購入を停止したことを受けて、米政府は米企業がファーウェイとのビジネスを再開するためのライセンスに関して決定を先送りした、と報じられている。米中貿易戦争の激化が落ち着く兆しはみられていない。株式市場が買われるなかで、ドル円の106円台は重くなっている。今週は105.50レベルがサポートされているが、きょうはどうか。その動向を注視したいところだ。 欧州では、イタリアが再び波乱材料を提供している。サルビーニ副首相は連立政権の維持が困難との見方を示している。直近では、イタリアの前倒し選挙は10月23日に実施される見込み、と伊紙レプブリカが報じている。イタリア債が売られ、利回りが上昇している。このあとのロンドン市場でのユーロ売り圧力となるのか要注意となる。続報には気を付けたい。 この後の海外市場では、経済指標発表が比較的多い。英GDP・速報値(第2四半期)、英鉱工業生産(6月)、英商品貿易収支(6月)など英国関連の指標発表が相次ぐ。注目はGDP速報値で、前期比の予想は横ばいとなっている。前回の+0.5%から大きく鈍化するとともに、マイナス成長のリスクをはらんでいる。鉱工業生産もマイナスとなる予想で、ポンド売り材料となる予想内容となっている。 NY市場では、米生産者物価指数(7月)、カナダ雇用統計(7月)、カナダ住宅着工件数(7月)、カナダ住宅建設許可(6月)などが発表される。米生産者物価指数は前年比+1.7%、コア前年比+2.3%と予想されており、前回並みの伸びが見込まれている。カナダ雇用統計では、雇用者数の伸びが1.5万人と予想されており、予想からの好悪にカナダドルが反応しやすい。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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