【これからの見通し】リスク回避の市場動向は足踏み状態、次の材料待ちに

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】リスク回避の市場動向は足踏み状態、次の材料待ちに

 昨日のNY市場でリスク回避の市場の動きは一服した。米株式市場では序盤にダウ平均が600ドル近い下落となったが引けにかけては下げ幅を縮小し、一時プラスに転じた。終値は22.45ドル安の26007.07ドルだった。NY原油相場も、取引序盤には50ドル台へと急落したが、その後は52ドル台へと反発。米10年債利回りの低下の動きも一服している。

 東京午前に中国人民銀が発表する人民元基準レートが市場に注目されている。事前の市場予想よりも人民元高であれば、連日の人民元安進行にもかかわらず市場は安心するパターンが続いている。きょうは1ドル=7.0039元に設定されており、7元の大台にとうとう乗せている。しかし、事前の市場予想では一段の人民元安水準を想定していたことで、株式市場は安心買いの動きとなったようだ。しばらくは、人民元動向もリスク動向の重要な材料となりそうだ。ただ、事前予想との比較といった単純な判断はそのうち陳腐化するものと考えられ、安易に乗ることには注意したい。

 ドル指数は8月に入ってから急速にドル安方向に流れが反転した。ただ、ここ一両日はドル安の動きは一服しており、ドル相場の方向性は錯綜している。米中貿易戦争の激化への警戒感が米債利回りを押し下げ、ドル安圧力となってきたが、足元では一段の進行には慎重なムードとなってきている。ドル円は105.50レベルを何度かトライしているが、現状ではすぐに106円台へと跳ね返されている。次の材料待ちになっている。

 この後の海外市場では、南ア製造業生産高(6月)、米新規失業保険申請件数(3日までの週)、米卸売在庫・確報値(6月)などの経済指標が発表される。米債券市場では30年債入札(190億ドル)が実施される。少しでも高い金利を求める機関投資家の動向が注目される。ロンドン序盤には、ECB経済報告が公表される。昨日はNZやインドなどで利下げが相次いだが、きょうはフィリピン中銀が政策金利を発表する。事前予想では0.25%利下げが見込まれている。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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