【前週のレビュー】ニューヨーク原油6月限は4月30日には110.93ドルまで上 伸して、一代高値を更新したが、その日のうちに急落した。30日は5月2日の満月の 2営業日前となっており、このまま天井を付ける可能性もありそうだとした。 【NY原油は38.2%戻し達成】 結果的に満月天井となり、ニューヨーク原油6月限は4月30日の高値110.93 ドルから5月6日に88.66ドルの安値まで崩れた。しかし、その後は戻しており、 本稿執筆時の8日午後は95ドル台後半〜96ドル台前半で推移している。目先はどこ まで戻すのかが注目されるが、チャート的には戻り高値が97.99ドルと、すでに前 述の高値から安値までの下げ幅の38.2%戻し(97.17ドル辺り)を達成してお り、半値戻しの99.80ドル、100ドルの節目、61.8%戻しの102.42ド ル辺りが次の上値目標となる。 材料的には、6日の90ドル台割れへの突っ込み場面は、米国とイランの停戦合意に 対する期待がその背景にあったが、直近にはホルムズ海峡付近で米国とイランによる一 時的な交戦が再び発生したことが報じられるなど、早くもその期待は揺らいでいる。も ともと一方的でまったく信頼できない言動を繰り返すトランプ米大統領が片方の当事者 であるため、相場はその言動で乱高下しやすく、投機的にそれを利用して煽られている 印象さえある。 いずれにせよ、米国とイランの交渉の続報をを待つしかないが、現状では14〜15 日に予定されている米中首脳会談(米資産運用大手のブラックストーン、米金融大手の シティのCEOらが同行予定)までに停戦が合意される可能性は極めて低いだろう。 国際エネルギー機関(IEA)加盟国はこれまで国家備蓄の約20%を放出している が、IEAのピロル事務総長は訪問先のカナダで7日、米国とイスラエルのイラン攻撃 以降、世界のエネルギー市場は混乱状態に陥っており、これは当面続くとの見方を示し て、仮に停戦しても供給の回復には時間がかかると語った。 そのIEAは4月の月報で、欧州が中東からの輸入の50%を代替して供給できなけ れば、欧州の航空燃料が6月に在庫不足には陥る可能性があると指摘していたが、米大 手金融機関のゴールドマンサックスの最新リポートでは、6月中にIEAが供給危機の 基準とする「23日分」を下回る見通しであることが指摘されている。 また、欧州の製油所では航空燃料の生産比率(得率)を10%から13%に引き上げ る「マックス・ジェット」体制で生産しているが、航空燃料の不足をカバーすることは 困難だという。 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は高止まりの様相。引き続き4万 9000ドル台で推移している。 ドルインデックスは一時的な97ポイント台への下落もあるが、おおむね98ポイン ト台前半のもみ合いが続いている。 【米国、原油と石油製品の合計在庫が11カ月振りの低水準】 米国内に目を移すと、直近の米エネルギー情報局(EIA)の週報では、3油種とも に在庫が前週に続き減少した。 原油在庫が前週比231万3000バレル減の4億5718万バレル。原油輸出が日 量475万バレルと、前週から減少していたことで在庫の減少幅は大きくなかった。 また、石油製品在庫もガソリンが同250万4000バレル減の2億1980万バレ ル、留出油が同129万4000バレル減の1億0234万バレルとともに減少した。 なお、原油と石油製品を合わせた在庫も12億4131万3000バレルと、ほぼ11 カ月ぶりの低水準となっている。 【東京原油のテクニカル分析】 東京原油の6番限である10月限は直近の下落もボリンジャーバントの−1シグマ (7万8840円辺り)で支えられる形で、8日には陽線引けで21日移動平均線でも あるボリンジャーバンドの中心線(8万1890円辺り)を上回った。 【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】 ニューヨーク原油6月限は直近の下落も90ドル台割れには下値抵抗を見せて、7日 にはボリンジャーバンドの中心線(94.84ドル辺り)辺りまで戻した。 ブレント原油7月限も似たような展開。ボリンジャーバンドの中心線(98.79ド ル辺り)割れには下値抵抗を見せて、7日には100ドルを回復して引けた。 MINKABU PRESS *投資や売買については御自身の判断でお願いします。
みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。