石油週間展望=38.2%戻し達成、米中首脳会談前の停戦合意は困難か

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
            [5月11日からの1週間の展望]
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         週間高低(カッコ内は日付)    5 月 7 日〜 5 月 8 日
                始  値    高  値        安  値       帳入値    前週末比
ガソリン  先限  100,000   100,000( 7)   100,000( 7)  100,000         ±0
灯  油  先限  105,000   105,000( 7)   105,000( 7)  105,000         ±0
原  油 10月限  86,260    89,170( 7)    78,130( 7)   81,990      -4,300
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                                       5 月 4 日〜 5 月 7 日
<海外原油> 週間4本値 始 値   高  値     安 値     終 値   前週末比
  NY原油  6 月限      99.73   107.46( 4)  88.66( 6)   94.81      -7.13
ブレント原油  7 月限     106.60   115.30( 4)  96.03( 7)  100.06      -8.11
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8日 東京時間の午後3時15分現在 ドル・円 156.73 前週末比 0.32円の円高
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【前週のレビュー】ニューヨーク原油6月限は4月30日には110.93ドルまで上
伸して、一代高値を更新したが、その日のうちに急落した。30日は5月2日の満月の
2営業日前となっており、このまま天井を付ける可能性もありそうだとした。

【NY原油は38.2%戻し達成】
 結果的に満月天井となり、ニューヨーク原油6月限は4月30日の高値110.93
ドルから5月6日に88.66ドルの安値まで崩れた。しかし、その後は戻しており、
本稿執筆時の8日午後は95ドル台後半〜96ドル台前半で推移している。目先はどこ
まで戻すのかが注目されるが、チャート的には戻り高値が97.99ドルと、すでに前
述の高値から安値までの下げ幅の38.2%戻し(97.17ドル辺り)を達成してお
り、半値戻しの99.80ドル、100ドルの節目、61.8%戻しの102.42ド
ル辺りが次の上値目標となる。

 材料的には、6日の90ドル台割れへの突っ込み場面は、米国とイランの停戦合意に
対する期待がその背景にあったが、直近にはホルムズ海峡付近で米国とイランによる一
時的な交戦が再び発生したことが報じられるなど、早くもその期待は揺らいでいる。も
ともと一方的でまったく信頼できない言動を繰り返すトランプ米大統領が片方の当事者
であるため、相場はその言動で乱高下しやすく、投機的にそれを利用して煽られている
印象さえある。
 いずれにせよ、米国とイランの交渉の続報をを待つしかないが、現状では14〜15
日に予定されている米中首脳会談(米資産運用大手のブラックストーン、米金融大手の
シティのCEOらが同行予定)までに停戦が合意される可能性は極めて低いだろう。

 国際エネルギー機関(IEA)加盟国はこれまで国家備蓄の約20%を放出している
が、IEAのピロル事務総長は訪問先のカナダで7日、米国とイスラエルのイラン攻撃
以降、世界のエネルギー市場は混乱状態に陥っており、これは当面続くとの見方を示し
て、仮に停戦しても供給の回復には時間がかかると語った。

 そのIEAは4月の月報で、欧州が中東からの輸入の50%を代替して供給できなけ
れば、欧州の航空燃料が6月に在庫不足には陥る可能性があると指摘していたが、米大
手金融機関のゴールドマンサックスの最新リポートでは、6月中にIEAが供給危機の
基準とする「23日分」を下回る見通しであることが指摘されている。
 また、欧州の製油所では航空燃料の生産比率(得率)を10%から13%に引き上げ
る「マックス・ジェット」体制で生産しているが、航空燃料の不足をカバーすることは
困難だという。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価は高止まりの様相。引き続き4万
9000ドル台で推移している。
 ドルインデックスは一時的な97ポイント台への下落もあるが、おおむね98ポイン
ト台前半のもみ合いが続いている。
【米国、原油と石油製品の合計在庫が11カ月振りの低水準】
 米国内に目を移すと、直近の米エネルギー情報局(EIA)の週報では、3油種とも
に在庫が前週に続き減少した。
 原油在庫が前週比231万3000バレル減の4億5718万バレル。原油輸出が日
量475万バレルと、前週から減少していたことで在庫の減少幅は大きくなかった。
 また、石油製品在庫もガソリンが同250万4000バレル減の2億1980万バレ
ル、留出油が同129万4000バレル減の1億0234万バレルとともに減少した。
なお、原油と石油製品を合わせた在庫も12億4131万3000バレルと、ほぼ11
カ月ぶりの低水準となっている。

【東京原油のテクニカル分析】
 東京原油の6番限である10月限は直近の下落もボリンジャーバントの−1シグマ
(7万8840円辺り)で支えられる形で、8日には陽線引けで21日移動平均線でも
あるボリンジャーバンドの中心線(8万1890円辺り)を上回った。

【NY原油、ブレント原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油6月限は直近の下落も90ドル台割れには下値抵抗を見せて、7日
にはボリンジャーバンドの中心線(94.84ドル辺り)辺りまで戻した。

 ブレント原油7月限も似たような展開。ボリンジャーバンドの中心線(98.79ド
ル辺り)割れには下値抵抗を見せて、7日には100ドルを回復して引けた。

<当面の予定>
 9日【経済】中国貿易収支 2026年4月(税関総署)

11日【経済】中国消費者物価指数 2026年4月(国家統計局)
   【経済】中国生産者物価指数 2026年4月(国家統計局)
   【経済】米中古住宅販売統計 2026年4月(全米不動産協会)

12日【経済】全世帯家計調査・消費支出 2026年3月(総務省)
   【経済】景気動向指数 2026年3月速報(内閣府)
   【経済】独消費者物価指数 2026年4月確報(連邦統計庁)
   【経済】独景況感指数 2025年5月(ZEW)
   【経済】米消費者物価指数 2026年4月(労働省)
   【経済】米財政収支 2026年4月(財務省)
   【工業】米週間石油統計(API)
   【工業】米短期エネルギー見通し・月報(EIA)

13日【経済】国際収支(経常収支) 2026年3月(財務省)
   【経済】対外及び対内証券売買契約等の状況 2026年4月(財務省)
   【経済】景気ウォッチャー調査 2026年4月(内閣府)
   【工業】原油・石油製品供給統計週報(石油連盟)
   【工業】石油製品給油所小売価格調査(資源エネルギー庁)
   【経済】ユーロ圏国内総生産 2026年1-3月期改定(EUROSTAT)
   【経済】ユーロ圏鉱工業生産 2026年3月(EUROSTAT)
   【経済】仏消費者物価指数 2026年4月確報(INSEE)
   【経済】米住宅ローン申請指数(MBA)
   【経済】米生産者物価指数 2026年4月(労働省)
   【工業】米週間石油統計(EIA)
   【工業】石油輸出国機構(OPEC)月報
   【工業】国際エネルギー機関(IEA)月報

14日【経済】マネーストック 2026年4月(日本銀行)
   【経済】対外及び対内証券売買契約等の状況 4月26日-5月2日(財務省)
   【経済】対外及び対内証券売買契約等の状況 5月3日-5月9日(財務省)
   【休日】仏キリスト昇天祭
   【経済】英国内総生産 速報値 2026年1-3月期(国立統計局)
   【経済】英貿易収支 2026年3月(国立統計局)
   【経済】英鉱工業生産指数 2026年3月(国立統計局)
   【経済】英製造業生産指数 2026年3月(国立統計局)
   【経済】米小売売上高 2026年4月(商務省)
   【経済】米新規失業保険申請件数(労働省)
   【経済】米輸出入物価指数 2026年4月(労働省)
   【経済】米企業在庫 2026年3月(商務省)

15日【経済】企業物価指数 2026年4月(日本銀行)
   【経済】米製造業景況指数 2026年5月(ニューヨーク連銀)
   【経済】米鉱工業生産・設備稼働率 2026年4月(FRB)
   【商品】米建玉明細報告(CFTC)
    【工業】全米石油堀削稼動数(米ベーカーフューズ)

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