【これからの見通し】きょうはECB理事会、FOMC前に先手打つか

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】きょうはECB理事会、FOMC前に先手打つか

 今日の注目イベントはECB理事会となる。日本時間午後8時45分に政策金利と声明の発表、同9時半からはドラギ総裁会見が予定されている。7月末の米FOMC会合では少なくとも0.25%の利下げが市場に織り込み済みとなっている。0.5%利下げについては約25%水準に落ち着いてきている。対するECBについては金利先物市場では5割程度が今回7月での中銀預金金利引き下げを見込んでいるもよう。

 市場での一般的な見方としては、次回9月ECB理事会で経済見通しの悪化が確認され、中銀預金金利を0.1%引き下げでマイナス0.5%とすることが見込まれているもよう。その前段階として今回7月理事会では、、フォワードガイダンスの緩和方向への変更や、利下げおよびQEなどの追加措置の検討が行われたと表明されることが期待されている。ただ、金利先物市場では今回の利下げ見込みもあることから、発表後のユーロ相場の反応は複雑なものとなりそうだ。

 ドラギECB総裁会見には注意したい。米FOMC会合を前に、口先で先手を打つ可能性もある。前回はトランプ米大統領からひんしゅくを買った。今回も緩和色を強める可能性を考慮しておきたい。

 事前に発表されるドイツIfo景況感指数(7月)は97.2と予想されており、前回の97.4からは小幅に変化にとどまる見込み。ECB理事会発表を控えて、反応薄となりそうだ。

 昨日の海外市場ではポンド買いが進行した。ジョンソン新英首相が選出され、離脱の向けた動きが進展することが期待されている。ただ、合意なき離脱への警戒感は引き続き高い。昨日のポンド買いはショートカバーの面が強かったものとみられる。ただ、きょうのECB理事会の内容次第では、再びユーロ売り・ポンド買いの動きが広がる可能性もあり、ポンド単体の材料だけではない点を留意したい。

 NY市場では、米新規失業保険申請件数(20日までの週)、米耐久財受注・速報値(6月)、米卸売在庫・速報値(6月)などが発表される。耐久財受注は前月比+0.7%、輸送除く前月比+0.2%と、いずれも増加が見込まれている。
 
minkabu PRESS編集部 松木秀明

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