為替相場まとめ6月15日から6月19日の週

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 15日からの週は、地政学リスク後退によるドル安要因と、株高・日銀のハト派利上げによる円安要因が同時進行し、そこへFOMCのタカ派化が重なったことで、週後半は「ドル高と円安」が一気に強まった。週前半は米国とイランの戦闘終結に向けた覚書合意報道が市場心理を大きく動かし、原油急落と株高を通じてドル安と円安が交錯した。ドル円は159円台後半まで下落する場面もあったが、日経平均の3000円超の急伸を背景に160円台へ反発した。欧州通貨もドル安で上昇したが、ロンドン勢のフローでユーロ高・ポンド安とまちまちの動き。16日の日銀会合では1.00%への利上げと国債買い入れ減額停止が決定されたものの想定内で、円買いは限定的となり、株価7万円乗せが円売りを支えた。17日はFOMC待ちで全市場が膠着したあと、注目のFOMCはタカ派サプライズとなった。年内利上げ1回を示唆するドットプロットがドル高を誘発し、ドル円は160.80円へ急伸、ユーロやポンドは対ドルでともに急落した。18日はドル高継続と円安が重なり、ドル円は一時161円台後半へ上昇し、介入警戒で乱高下しつつ高値圏を維持した。


(15日) 
 東京市場では、トランプ大統領による米国とイランの戦闘終結に向けた覚書合意の発表や、パキスタン首相、イランメディアによる報道を受けて、朝方はドルが全面安となった。ドル円は160.20円台から159.74円まで急落した。しかし、日経平均株価が3000円を超える急伸を記録するなど、和平合意を好感した株高・原油安によるリスク選好の円売りが広がり、ドル円は午前中に160.20円台へと下げ分を解消。その後は揉み合いとなり、15時前に160円を割り込む場面もあったが、ロンドン勢の本格参加後は160.10円台へ少し反発した。ユーロドルはドル安を受けて1.1622ドルまで上値を伸ばし、ユーロ円もドル円の反発を背景に185.90円台まで上昇。ポンドドルは1.3461ドル、ポンド円は215.38円までそれぞれ上値を伸ばす展開となった。

 ロンドン市場は、静かな取引となったが、米国とイランの覚書合意報道による原油相場急落や有事のドル買いの巻き戻しから、全体としてドル安傾向が残った。ドル円は東京朝方の下落から、日経平均の急伸に伴うリスク選好的な円売り圧力やゴトー日の実需による外貨買いを背景に160円台に買い戻された。しかし、ロンドン時間には160.00円の大規模NYカット・オプションの設定も観測される中で160.10円付近に膠着した。欧州通貨はロンドン朝方までドル安の恩恵で上昇したものの、ロンドン勢の本格取引が始まると、ユーロ買い・ポンド売りの個別フローにより明暗が分かれた。ユーロドルは1.16台前半に高止まり、ユーロ円は186円手前へ上昇した一方、ポンドドルは1.34台前半へ反落、ポンド円も215円付近へ押し戻された。

 NY市場で、ドル円は160円台で底堅い値動きを続けた。米国とイランの暫定合意で市場にポジティブなムードが広がり原油も急落したが、ホルムズ海峡の早期再開への不透明感は根強く残った。米経済の底堅さを背景とした米金利の高止まりがドル円を下支えする一方、翌日の日銀金融政策決定会合での利上げ確実視に伴う介入警戒感が上値を抑える構図が続いた。ユーロドルはリスク回避の後退から一時1.1620ドルの10日ぶり高値を付けたが、中東情勢の先行きや今週のFOMCを巡る不透明感から売りオーダーに押され、1.15ドル台へ伸び悩んだ。ポンドドルも戻り売りに押され1.34ドル台前半に下落。アナリストからは、和平合意によるエネルギー価格下落で英インフレが4%を下回れば、英中銀が今夏の利上げを見送り、来年には再び利下げ局面へ戻るとの予想も示された。

(16日) 
 東京市場では、注目された日銀金融政策決定会合で、4会合ぶりとなる政策金利1.00%への利上げと、2027年4月以降の国債買い入れ減額停止が決定された。しかし、これらは総じて市場の想定通りであり、相場への影響は限定的なものにとどまった。会合前はイベントへの警戒感から円高に振れ、ドル円は朝方の160.30円台から160.05円まで下落する場面が見られたが、結果発表後は円買いが一服して160.30円台を回復。日経平均株価がザラ場で史上初めて7万円台に到達したこともリスク選好の円売りを促した。株高が一服した後もドル円は堅調地合いを維持した。豪中銀は市場予想通り金利据え置きを発表し、声明にも目新しさはなく反応は限定的。ユーロドルは1.15台後半、ポンドドルは1.3391ドルまでやや値を下げるなど全般に値幅は限られた。

 ロンドン市場では、イランと米国の暫定合意報道を受けて中東情勢の緊張が急速に後退し、ドル売りが優勢な展開となった。NY原油先物が78ドル台へ下落して米インフレ懸念が和らぎ、米10年債利回りが4.44%台へ低下したことで、アジア時間のドル買いが一気に巻き戻された。さらに、独ZEW景況感指数が予想を大きく上回りプラスに転じたことがユーロ買いを誘い、ユーロドルは一時1.1610台へ上昇、ユーロ円も186.10台へ高値を伸ばした。ポンドドルも1.3430付近、ポンド円は215.30付近へと反発した。ドル円は日銀の利上げ通過後の円売りが下値を支え、ドル安と円安が相殺し合う形で160.30円付近での底堅い推移を維持。内田日銀副総裁の会見では次回利上げに関する新たなヒントは得られず、翌日の米FOMCを前に方向感の一貫性は欠いた。

 NY市場では、円安の動きが強まり、ドル円は160円台半ばに上昇した。日銀決定会合は大方の予想通り政策金利を1.00%に引き上げ、入院治療中の植田総裁に代わり内田副総裁が会見を行った。会見では金融環境が依然として緩和的であることや中東の不透明感が示され、これがハト派的な利上げと受け止められたため円高反応はほぼなく、ドル円は160円台を維持した。ユーロドルは米国とイランの暫定合意後も戻りは鈍く1.16ドル付近で振幅したが、ユーロ円は円安の動きから186円台に上昇。ポンドドルは200日線挟みでの上下動となり、ポンド円は215円台に上昇した。ポンドに関しては、スターマー首相の指導力への不透明感や閣僚の辞任、補欠選挙といった政治的リスクに加え、木曜日の英中銀会合を控えて、下方向へのリスク偏重や割高感が指摘された。

(17日) 
 東京市場では、今晩に控える米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前に、市場は落ち着いた動きとなった。ドル円は、NY原油先物が75.08ドルまで下落した動きなどを受けてドル高の調整が入り、ドル安円高が進行。この動きがクロス円にも波及する形で全般的に円買いが広がった。ただ、FOMC前の様子見ムードが根強く、値幅は大きく抑制された。ドル円は朝方の160.46円前後から160.26円まで下落したものの、わずか20銭程度の非常に狭いレンジでの推移にとどまった。欧州通貨も膠着し、ユーロドルは1.1605〜1.1617ドルのわずか12ポイントレンジ、ポンドドルは23ポイントレンジでの推移となった。ロンドン勢の本格参加が近づくとクロス円で下げ幅を広げる動きも見られたが、前日の上昇に対する調整の範囲内となった。

 ロンドン市場は、前日の日銀会合を通過し、米FOMC(政策金利据え置き予想、ウォーシュ新議長の初会合)を控える中で、調整主導の円高・ドル高が優勢となった。ロンドン序盤には、イランがイスラエルへの対抗措置を警告した中東の地政学的リスクを背景に原油が反発し、米債利回りが上昇。これを受けて一時的にドル買いが強まりドル指数が上昇する場面もあったが、動きは続かずイベント待ちの落ち着いた展開へ移行した。ユーロドルは5月ユーロ圏CPIコア確報値が上方修正されるも、1.16ドル付近の狭いレンジで推移。ポンドドルは5月英CPIが市場予想を下回る前年比+2.8%となったことで売りが先行して1.3407付近へ急落し、ポンド円も214.78付近へ軟化した。ドル円は160.12付近まで安値を広げたが、160円台は維持して揉み合いとなった。

 NY市場では、午後の米FOMCを受けてドル高が急進し、ドル円は一時160.80円近辺まで上昇した。今回のFOMCは想定以上にタカ派な印象で、金利見通し(ドット・プロット)では参加委員の半数にあたる9人が年末までに1回の利上げを予想。インフレ見通しも大幅に上方修正され、声明から緩和バイアスが削除された。さらに、トランプ大統領が利上げの可能性について「起こり得る」と言及したこともドル高を後押しした。このドル急伸により、ユーロドルは強いサポートだった1.15ドルを割り込んだが、ユーロ円はドル高の裏返しで売りが強まり184円台半ばへ下落。ポンドドルも200日線を下放れて1.32ドル台半ばへ急落し、ポンド円は213円台前半へ売り込まれた。翌日の英中銀会合に向けては、英CPIの鈍化を背景に全面安の展開となった。

(18日) 
 東京市場で、ドル円は高値圏での揉み合いとなった。前日の米FOMC後のタカ派サプライズを受けたドル高の流れにより、海外市場で一時160.80円まで上昇して直近高値を更新。東京市場では日本の当局による為替介入への警戒感から上値が抑えられた一方、下がると買いが入る底堅さを見せ、160.53〜160.75円の狭いレンジで推移した。トランプ大統領が米国とイランの戦闘終結に向けた覚書に調印したとの報道によるドル安円安の動きも、ドル円の動意を限定的にした。ユーロドルは前日のドル高による1.1470ドル台への下落から1.1526ドルまで反発。ユーロ円は185円台でもみ合った。この日に英中銀会合を控えたポンドは、据え置き予想の広がりから様子見ムードとなり、対ドル・対円ともに午前にじり高となった後は揉み合いに終始した。

ロンドン市場では、米FOMCのタカ派な結果を受けたドル高圧力が根強く、ドル買いが再開した。ユーロドルは1.14台後半へ下落して前日安値を更新。英中銀の金融政策発表を控えたポンドドルも、利上げ票が2名にとどまるとの予想や、英下院補欠選挙に伴う政治混乱懸念から1.32台前半へ値を下げて前日安値を更新した。ドル円は一時160.80付近の前日高値に並んだ直後に160.50割れへ反落するなど神経質な動きを見せたが、足元では160.90付近へと高値を小幅に更新した。ただ、4月30日の介入水準を上回る危険水域に突入したことで介入警戒感が強く、上値が重い分だけクロス円の下落が目立ち、ユーロ円は184円台前半、ポンド円は212円台後半へと軟化。ユーロポンドではポンド売りが優勢となり、中銀間の金融スタンスの差が意識された。

 NY市場では、ドル高の流れが継続する中、ドル円はNY時間に入って円安も加わり一時161円台後半まで急伸した。序盤は介入警戒から慎重だったが、161円突破で急上昇し162円の介入ポイントに接近。しかし、3連休を控えた薄商いの終盤にまとまった売りが入り、瞬間的に160円台後半まで急落する神経質な展開となった。ユーロドルは1.14ドル台半ばへ下落し、年初からの下落トレンドに復帰。一方、ユーロ円は一時185円台へ上昇。ECBのレーン理事は中立金利が2.5%へ上昇した可能性を示唆した。ポンドドルは1.31ドル台へ下落。英中銀は金利を7対2で据え置いた。ベイリー総裁は停戦によるインフレ上振れリスクに言及したが、見通し引き下げからポンドは売り反応となり、ポンド円は212円台半ばへ下落後に213円台へ戻した。

(19日) 
 東京市場は、前日の海外市場で米利上げ期待からドル高が進んだ流れを受け、ドル買い優勢の展開となった。ドル円は午前中、米祝日を控えた薄商いや介入警戒感から一時160.99円まで下落したが、午後には米イラン協議中止の報道で有事のドル買いが再燃し、本日の高値である161.46円まで急反発した。この全面的なドル高に押され、ユーロドルは1.1418ドル、ユーロ円は184.30円まで午後に値を下げている。一方、ポンドも午後のドル高で一時1.3163ドルの安値圏まで売られたものの、15時発表の英小売売上高が予想を上回る強い結果となったことで、ポンドドルは1.3200ドル付近、ポンド円は213.00円近くまで急速に買い戻された。全体として地政学リスクや指標に揺れつつも、根強いドル買いが観察されている。

 ロンドン市場は前日のドル高水準を踏襲し、全般に揉み合い。ドル円は東京早朝の161.40付近から午前に161円割れまで下押し後、161.40台へ戻した。片山財務相の円安けん制で一時円高に振れたが、米・イラン協議中止と原油高で有事のドル買いが意識された。ただNY市場がジューンティーンスで休場となるため、ロンドン時間は手掛かり難となっている。ユーロドルは1.14台で往って来い。ポンドドルは英小売売上高の強さを背景に1.32台前半へ上昇。クロス円も振幅し、ユーロ円は184円台から185円付近へ、ポンド円は212円台半ばから213円台半ばへ戻した。各通貨ペアとも前日NY終値付近での揉み合いに落ち着いている。

 NY市場は、奴隷解放記念日(ジューンティーンス)のため休場。

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