為替相場まとめ6月22日から6月26日の週

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 22日からの週は、FOMCがタカ派寄りに転じたことを受け、ドル高が相場全体を主導した。ドル円は161円台後半を中心に底堅く推移し、162円に近づく場面では政府・日銀の介入警戒が意識されて上値が抑えられたものの、米利上げ観測と日米金利差の大きさが円安基調を支えた。中東情勢は米・イラン協議の継続でいったん落ち着いたが、地政学リスクは残り、ドル買い要因として意識され続けた。一方、NY原油先物は70ドルを割り込み、イラン紛争前の水準まで低下。インフレ懸念の後退は欧州通貨の重しとなり、PMI悪化やECBの慎重姿勢もあってユーロドルは1.13ドル台前半の1年ぶり安値圏に沈んだ。英国では首相辞任とバーナム氏の台頭で政治不透明感がやや後退し、ポンド円は底堅さを維持。ただし、対ドルでは米金融政策との温度差から軟調が続いた。クロス円はドル高と円高が同時に進む局面があり、ユーロ円・ポンド円ともに方向感をつかみにくい展開。反発しても上値は限られた。総じて、介入警戒がドル円の上値を抑える一方、FOMCのタカ派姿勢と金利差構造が円安基調を維持し、円が本格的に反転するには材料不足との見方が広がった。


(22日)
 東京市場では、中東情勢をにらみつつ、ドル円は堅調地合いを維持する展開となった。イスラエルとレバノンの民兵組織ヒズボラとの対立を受けてイランと米国の緊張が再び高まり、朝方の原油相場が上昇。有事のドル買いとリスク警戒の円買いが交錯するなか、ドル円は一時161.19円まで下押しした。しかし、週末の米イラン高官級協議で対話継続が合意され原油高が一服したことや、日経平均株価が1000円を超える急伸を記録したことでリスク選好の円売りが優勢となった。政府・日銀による為替介入への警戒感から上値追いには慎重さも見られたが、ドル円はじりじりと上昇し161.71円をマーク。市場では先週高値161.81円や2024年7月高値161.95円が意識された。ユーロドルは1.14台後半で揉み合い、ポンドドルは一時1.3181ドルまで下落後に1.3234ドルまで反発するなど一進一退の動きとなった。

 ロンドン市場は、スターマー英首相の辞任表明を受けてポンドが堅調に推移した。政治的ライバルのバーナム氏が労働党党首選への出馬を表明したことで、スムーズな政権交代への期待から市場は政局変化を好感。英国債が全年限で買われ利回りが低下するなか、ポンドは主要通貨に対して全面高となった。一方、中東情勢は米国とイランの協議継続を受けてひとまず落ち着きを取り戻し、先週からのドル高・円安の流れに特段の変化はみられなかった。ドル円はロンドン序盤に高値を161.79円付近に更新し前週高値に迫ったものの、上抜けには至らず161円台後半で高止まりした。米FRBのタカ派姿勢を背景としたドル買いや円キャリー取引の継続が下値を支えるなか、ユーロは対ドル、対ポンドで軟化したものの、対円ではドル円とともに買われ高値を185.38円付近まで伸ばした。

 NY市場で、ドル円は激しい値動きとなった。序盤は買いが強まり介入ポイントとして意識される162円を試す動きを見せたが、片山財務相がベッセント米財務長官とオンライン会談を行ったと伝わると、介入警戒感から161.10円付近まで急速に一時下落した。もっとも、日米金利差の大きさやドル需要の強さといった構造的な円の下落圧力が続くなか、市場では「介入だけで円安トレンドの反転は難しい」との見方が根強く、その後は底堅く推移した。また、ラガルドECB総裁が「イラン紛争による影響に対して強力な対応を取る必要はない」と述べ、追加利上げを急がない姿勢を示したことでユーロ売りが強まり、ユーロ円は一時184.40円に下落した。ポンドドルは一時1.3270ドル近辺まで上昇したものの、ポンド円は円高の動きに連れて213円台に値を落とした。

(23日)
 東京市場では、為替介入への警戒感と地合いの強さがせめぎ合い、ドル円はほぼ膠着状態となった。前日の海外市場で161.93円まで上昇し2024年7月高値に迫った後、日米財務相会談の報道で161.08円まで急落したが、底堅い地合いを引き継ぎ161円台後半で朝方を迎えた。片山財務相が会談の事実を認め「必要とあれば断固たる措置を取ることで日米合意した」と円安を強く牽制したため介入警戒感が広がったものの、実際の介入がない限りは金利差を意識したドル高円安が継続するとの思惑から、朝方からのレンジは161.53円から161.74円にとどまった。ドル円を除く主要通貨ではドルが全般に堅調となり、中東警戒の継続や米FOMCのタカ派姿勢を背景に、豪ドルが対ドルで0.7006ドルから0.6950ドル台まで下落するなど資源国通貨売りが目立った。

 ロンドン市場は、円買いフローとドル高基調が衝突する展開となった。ドル円はロンドン朝方に161.74円付近まで買われたものの、片山財務相の円安牽制を背景とした円買いフローが持ち込まれると、ロンドン序盤に161.28円付近まで押し戻された。この反落に伴い、ユーロ円は184円割れ、ポンド円は213円台前半へと下落した。一方で、米利上げ思惑や世界的なハイテク株安に伴うリスク回避の調整から、ドル指数は昨年5月以来の高水準に達するなどドル高基調は維持された。イランが核査察計画を否定したことで有事のドル買いも重なり、ユーロドルは一時1.14ドルを割り込み、ポンドドルも1.32台前半へと下押しされた。前日の英首相辞任報道については目立った続報はなく、市場には株安を背景とした不透明感が広がった。

 NY市場で、ドル円は161円台半ばでの振幅が続いた。海外時間に入って突然の売りで急落する場面が見られたものの、下値での押し目買いにサポートされて元の位置に戻す展開を繰り返した。日銀の当座預金残高推計から大規模介入の気配はなかったが、日本当局による対話姿勢の強調などの牽制により、162円台への急速な上値追いは抑制された。為替市場全体ではドル高が継続し、ユーロドルは1.14ドルを下抜けて年初来安値を更新。FRBの利上げ期待が強まる一方、原油相場の急落を受けてECBの追加利上げ期待が後退したことが格差を広げ、ユーロ円は183円台へ下落した。ポンドドルも1.32ドルを割り込んで下値を模索し、テイラー英中銀委員の利下げ準備に関する発言や、2ヶ月連続で50を下回った英PMIの悪化がポンドの重石となった。

(24日)
 東京市場では、ドル円は狭いレンジでの揉み合いに終始した。米国の利上げ期待を受けたドル高が下値を支えた一方、162円手前での政府・日銀による為替介入への警戒感が上値を抑え、上下ともに動きにくい膠着状態となった。市場全体ではドル高と円高が同時に進む形となり、ドル円は161.50円から161.69円という20銭に満たない極小レンジでの推移にとどまった。他方、前日の海外市場で欧州PMIが悪化した流れを引き継いだユーロドルは戻りの鈍さが意識され、1.1384ドルから1.1361ドルまで下落するなど下方向への意識が継続した。クロス円もドル高・円高の狭間で押される展開となり、ユーロ円は183.54円まで下落後に183.85円前後へ反発、ポンド円も213.06円まで一時下押しされるなど、値幅自体は限定的ながら不安定な値動きを見せた。

 ロンドン市場は、直近の米FOMCでのタカ派姿勢転換を主役にドル買いが継続した。中東情勢の沈静化が進むなか、米半導体大手マイクロンテクノロジーの決算発表を前に株式市場でAI関連株の調整が進んだことも、リスク警戒的なドル買いを後押しした。ドル指数は昨年5月以来のドル高水準を更新し、ユーロドルは1.13台前半、ポンドドルは1.31台半ばへと安値を拡大。独Ifo景況感指数の改善が予想を下回ったこともユーロの重石となった。ドル円は161.78円付近まで再び上昇したものの、介入警戒感から162円台に乗せる勢いには欠け高止まりとなった。クロス円はドル円の上昇の鈍さを受けて軟調に推移し、ユーロ円は183円台前半、ポンド円は212円台後半へと下落した。

 NY市場では、ドル高の動きが一服したものの、ドル円は再び162円台を試す展開となり、円の下げ止まらない状況が浮き彫りとなった。短期金融市場で年内2回の利上げが完全に織り込まれるなどFRBの利上げ期待が高まるなか、日米財務相による協議報道も口先介入と見透かされ、ドル円の下値は強固にサポートされた。一方、ユーロドルは米欧の金融政策に対する市場予想の乖離から下値模索が続き、一時1.13ドル台前半の1年ぶり安値水準まで下落し、フィボナッチ38.2%戻しの節目を試す展開となった。ポンドドルも一時1.3140ドルまで下落し年初来安値を更新。原油急落や景気減速を示唆する指標を受けて英中銀の利上げ期待が後退したことが背景となったが、英政治に関しては有力候補のバーナム氏が財政規律維持を公約していることから不透明感は後退した。

(25日)
 東京市場では、ドル円は161円台後半でしっかりとした推移となった。昨日高値に並ぶ161.84円を付けるなど底堅い動きを見せたが、大台を前にした介入警戒感から積極的な上値追いには慎重な姿勢が続いた。午前中に日銀の田村審議委員が「中立金利は2%前後」「利上げは数か月に一度のペース」などと発言し、一時161.56円まで円高に振れる場面もあったが、タカ派として知られる同委員の発言だけにサプライズ感はなく、すぐに値を戻した。ユーロドルは行き過ぎたドル高への警戒感から1.1348ドルから1.1371ドルの範囲で揉み合いとなった。ユーロ円は、3000円を超える大幅な上昇を記録した日経平均株価の動きが支えとなり、183.90円台まで堅調に上値を伸ばし、ポンド円もドル円の上昇や対ドルでのポンド高に連れて213.28円まで上昇した。

 ロンドン市場は、日本時間午後9時30分に米PCE価格指数など一連の重要指標の発表を控え、前日からのドル高水準を踏襲した揉み合いとなった。市場には結果を見極めたいとのムードが広がり、ドル円は161.80円台を中心に高止まりし、一時161.90円付近まで高値を伸ばしたものの、主要通貨は特段の方向性を示さなかった。中東情勢の沈静化を受けてNY原油先物は一時68ドル台まで下落し、米10年債利回りは4.41%台で戻りが限定的となった一方、前日引け後のマイクロンテクノロジーの好決算を背景にAI関連株買いが復活し、株先物は堅調に推移した。英国政局を巡っては、バーナム氏が次期首相になるとのコンセンサスが早くも市場に形成され、現首相の辞任表明後も目立った波乱は見られず、ポンドドルは1.31台後半で売買が交錯した。

 NY市場で、ドル円は162円台をうかがう展開が続いた。発表された5月の米PCE価格指数は高インフレを示す内容であったものの、警戒されたほどではないとの印象から短期金融市場で年内の米利上げ期待が後退。米国債利回りの低下に伴い為替市場では一時的にドル安の反応が見られたが、クロス円の上昇もあってドル円は161円台後半を維持した。ユーロドルは、FRBとECBの政策修正が既に織り込まれたとの見方から下落が鈍化し、1.13ドル台前半の安値圏から1.13ドル台後半へ買い戻された。ポンドドルも1.32ドル付近、ポンド円は213.70円付近へと戻し、100日線がサポートとして機能した。英国政治に関しては、新指導部が打ち出す経済政策や英中銀改革を巡る報道に投資家の関心が集まっている。

(26日) 
 東京市場で、ドル円は介入警戒感や日経平均の急落、米長期金利の低下を受けて軟調に推移した。前日に161.95円まで上昇し162円接近で上値を抑えられると、本日午前中に161.85円付近まで上昇した後は161.50円台まで下落した。ユーロドルは朝方に1.1370近辺から1.1354まで軟化後、対円でのドル売りを背景に1.1379近辺まで上昇。ユーロ円は朝方に184.06円を付けた後は183円台中心で振幅し、方向感を欠いた。ポンドドルは午前中に1.3180〜1.3190台でもみ合った後、午後に1.3200台を回復。ポンド円も方向感なくもみ合い、午前中に213.68円まで上昇後、213.22円まで下落してからは下げ渋る動きとなった。

 ロンドン市場は、ドル売りが優勢。原油安、米債利回り低下、株式市場の調整の動きなどが為替市場においてもドル高に対する調整を促している。ドル円は昨日の上昇が161.95付近までにとどまり、162円台に届かなかったことが短期的なポジション調整につながった面も指摘される。ただ、下押しは161.50台までと限定的。ユーロドルは1.13台半ばから1.14台乗せへと上昇している。対円や対ポンドでもユーロは堅調だ。ポンドドルは1.31台後半から1.32台前半へと上昇。対円でもユーロ円とともに買われている。このあとNY市場では一段と株安、原油安などが進行するのかどうかを見極めることとなろう。

 NY市場でドル円は161.70円台中心の落ち着いた動き。週末を前に積極的な動きが見られず、直近レンジ内でのもみ合い。日米金利差を狙った円キャリー取引のドル買い需要などが支えも、介入警戒感が上値を抑えている。ユーロドルは朝に買われる場面も、1.1434を付けた後、1.33台後半に戻すなど、こちらも一方向の動きにならず。ユーロ円も対ドルでのユーロ買いに朝方184.83円を杖k多が、その後184.10円前後まで下げるなど、買いが続かず。

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