【これからの見通し】米FOMC後のドル安と株高、週末調整をこなすか見極め 今週は米FOMCで「辛抱強く」の文言が削除されたことで、利下げなど緩和方向へのアクションがとりやすくなった。米債利回りが大幅に低下、米株をはじめとした世界の株式市場が上昇する流れが示現している。昨日は米S&P500指数が史上最高値を更新した。ただ、米FOMCのハト派転換の背景には、米中貿易戦争などを背景とした世界景気鈍化への警戒感があることは否めない。また、中東やトルコなど米国をめぐる政治的な緊張も影を落としている。 きょうは週末のタイミングでもあり、市場では調整が入りやすい。前日の米株上昇にもかかわらず、きょうの東京株式市場は売りに押された。日経平均は3日ぶり反落で引けた。米FOMC後はドル円相場が着実に水準を下げてきており、米国とイランの軍事緊張もこれに加わっている。このあとの海外市場でも米欧株に調整が入る可能性があり、注意してみたいところだ。逆に、週末調整が浅く済めば、来週に向けてドル安と株高の流れが一段と継続する可能性もあり、きょうはその試金石になろう。 経済指標発表は、ドイツやユーロ圏の製造業および非製造業PMI・速報値(6月)、英公共部門ネット負債(5月)、香港消費者物価指数(5月)、香港国際収支(第1四半期)、カナダ小売売上高(4月)、米中古住宅販売件数(5月)などが発表される。欧州では第2四半期の成長に警戒感が広がっている。今日発表されるPMI速報値は予想段階では前回から弱含む数字はみられていないが結果はどうか。4月カナダ小売売上高は前回から伸びが鈍化する予想となっている。5月米中古住宅販売件数は年率換算530万件に増加する見込み。 金融当局者の発言関連は、テンレイロ英中銀委員の講演、ノボトニー・オーストリア中銀総裁の講演、ブレイナードFRB理事とメスター・クリーブランド連銀総裁のFRBイベント参加、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁の講演などが予定されている。今週の米FOMCの金利予測は二極化しており、タカハト両面からのコメントが想定される。英国に関しては合意なき離脱に備える企業や金融当局の準備はどうか。ユーロ圏ではECBのハト派姿勢強化が繰り返されるのか、次期総裁選出に関連したコメントなども注目される。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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