為替相場まとめ8月3日から8月7日の週

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 3日からの週は、先週後半の日米協調介入の後、ドル円は157-158円台での攻防が続いた。協調介入後の「急落 → 反発 → 介入警戒による上値抑制」という三段階の構図となった。週初はトランプ大統領の協調介入言及や片山財務相の強い姿勢を受けて155円台まで急落したが、日米金利差の大きさから円高転換の確信は広がらず、ロンドン・NYでは自律反発が優勢となり157円台へ戻した。IMFガイドライン上の追加介入ハードル観測や、本邦10年債入札の不調などもあり、介入前より高いボラティリティを伴いながら円売りが再開した。週央には原油高・米金利上昇・リスク選好が重なり、ドル円は200日線を回復し158円台半ばまで上伸。ユーロ円・ポンド円も182円台、213円台へ戻り高値を更新した。対ドルの欧州通貨は狭いレンジにとどまり、ユーロは100日線、ポンドは1.35ドルの抵抗が重石となった。総じて、協調介入は円の急落抑制には寄与したもののトレンド転換には至らず、米雇用統計を控えた高警戒感の中で円安方向へのトライと介入警戒が併存する一週間となった。その米雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が予想外の減少となったほか、平均時給も前月比0.1%の上昇と、昨年12月以来の低い伸びとなった。過去2カ月分のNFPも大幅に下方修正されている。これを受けて短期金融市場では、9月の米利上げ期待が後退。発表前までは確率が55%程度で推移していたものの、発表後は40%程度に低下。為替市場はドル安の反応を示している。


(3日) 
 東京市場は、ドル円は先週後半の介入実施後の相場展開。トランプ大統領が朝に協調介入に言及する中で、少し円高でスタートした。157円割れから一時157.88円へ反発したものの、片山財務相らが更なる介入を辞さない姿勢を示し、実際の介入とみられる売りも入って155.23円まで急落した。その後は156.50円前後へ戻してもみ合いとなった。クロス円も朝方に安値更新後一旦反発したが、その後の円買いでユーロ円は179.37円、ポンド円は209.58円まで下落し、午後は揉み合いに終始した。対ドルは落ち着いた動きとなり、ユーロドルは1.1526-1.1559ドル、ポンドドルは1.3464-1.3506ドルのレンジ内で推移した。前週末のNY連銀による介入がユーロ円で実施されたこともあり、クロス円での売り圧力も強い展開となった。

 ロンドン市場ではドル買いが優勢となり、相場はドル円を中心に展開した。東京朝方に一時155.23付近まで急落したドル円は、片山財務相らの協調介入表明や追随姿勢の後も急速な動きが影を潜め、自律的な買い戻しから157円台を回復する場面があった。イランが米との直接協議を否定し原油相場が下げ渋ったこともドルの買い戻しを支援した。ドル全般にドル買い傾向となり、ユーロドルは1.15台前半、ポンドドルは1.34台後半で上値が重く推移した。クロス円もドル円の動きに沿って買い戻され、ユーロ円は一時181円台、ポンド円は211円台前半まで戻したが、東京朝方の水準には届かなかった。ユーロ圏や英の製造業PMI確報値改定に対する市場の反応は限定的で、介入警戒感が漂う中での慎重な買い戻しとなった。

 NY市場でドル円は、157円台へ買い戻された。ベッセント財務長官の警告や片山財務相の介入実施明言によりロング勢は後退したものの、日米金利差を背景に円高トレンド転換と見る向きは少なく底堅さが意識された。介入資金確保に伴う米国債売却による長期金利上昇を防ぐため、日本はFIMAレポファシリティーを活用したとみられる。市場の関心は週末の7月米雇用統計へ向かっている。ユーロドルは100日線手前で押し戻され1.15ドル台前半へ下落、ユーロ円は180円台で推移した。米当局がユーロ売り・円買い介入を実施したとの観測も浮上している。ポンドドルは1.35ドルの抵抗が強く1.34ドル台前半へ下落し、英中銀の政策を見極める展開が続くなか、ポンド円は211円台へ買い戻された。

(4日) 
 東京市場で、ドル円は堅調に推移した。朝の157.18円前後から157.75円まで上昇後、高値圏でもみ合った。3営業日続いた介入への警戒感は残るものの、IMFガイドライン上の思惑から当日の追加介入のハードルが高いとの見方も浮上し、前日までのドル売り・円買いに対する反動が出た。昼過ぎに公表された10年国債入札は応札倍率低下とテール拡大で低調な結果となり、10年債利回りの上昇を受けて一時的に円買いが入ったもののすぐに反発し、しっかりの展開を維持した。ユーロドルやポンドドルは極めて狭いレンジでの落ち着いた動きとなった。クロス円はドル円同様に円売りが優勢となり、日経平均が後場にプラス圏を回復したこともリスク警戒後退の円売りを後押しし、ユーロ円は181.50円台、ポンド円は211.70円台まで買われた。

 ロンドン市場では円売りが優勢となり、ドル円は157.96付近、ユーロ円は181.80付近、ポンド円は212.33付近まで本日高値を更新した。先週末の協調介入後は大規模介入の痕跡はなく、この日も介入を想起させる動きがないことから円安方向への修正が続いた。中東情勢の緊迫化によりNY原油が82ドル台へ上昇し、有事のドル買いが働きやすい地合いとなった。不調に終わった本邦10年債入札後の金利上昇で一時円買いが入ったが、すぐに円売りに押し戻された。ドル円の1週間ボラティリティーは11%付近と介入前より高水準を維持しており、ロンドン勢は介入ポイントを探りながら慎重な円売りを進めた。ユーロドルとポンドドルは狭いレンジでの推移にとどまったが、原油通貨の側面を持つポンドは買いが優勢となった。

 NY市場で、ドル円はベッセント財務長官の「日本が円是正に真剣に取り組んでいる」との発言で一時157円台前半へ下落したが、押し目買いが入るとNY午後には157円台後半へ戻した。市場は急落局面を円高転換とは見ず押し目買い機会と捉える向きが多いが、追加介入警戒からオプション市場でのプレミアムは上昇している。テクニカル面では158円と200日線が節目であり、回復すれば戻りを試す動きが強まる可能性がある。ユーロドルは1.15ドル台前半の狭い振幅で、割高感から短期金利差の変化や米利上げ観測後退がない限り伸び悩むとの見方が出ている。ポンドドルは1.35ドルの上値抵抗が強く1.34ドル台半ばで足踏み。ポンド円は212円台へ回復したが、英中銀の年内追加利上げ期待は後退している。

(5日) 
 東京市場では、ドル円やクロス円が「往って来い」の展開となった。米イラン合意期待報道を受けて一時ドル売り・円買いが進み、ドル円は157.80円前後から157.31円まで下落し、米10年債利回りも4.59%台へ低下した。しかし安値圏でもみ合い後に下げ止まるとドル売りは一服。NY原油先物が75ドル台へ持ち直し、日米金利差を狙った買戻しや日経平均の2,000円超高に伴うリスク選好の円売りも重なって、ドル円は157.77円まで買い戻された。クロス円も連動し、ユーロ円は181.54円まで下落後に181.96円、ポンド円は211.70円から212.25円へ持ち直した。対ドルでのユーロやポンドは比較的落ち着いており、ユーロドルは1.1532-1.1540ドル、ポンドドルは1.3451-1.3458ドルの狭いレンジで推移した。

 ロンドン市場では、ドル円は157円台後半へ買い戻され東京午前の下げを解消した。欧州株の堅調なスタートや消費税減税(来年4月から2年間1%)の方針決定に伴う財政不透明感が円売りを誘い、ユーロ円は182.17付近、ポンド円は212.56付近まで高値を伸ばした。しかし株価の反落とともに上値は抑えられ、介入警戒感からドル円は158円を試すには至らなかった。ドル全般は小動きでユーロドルは1.15台前半、ポンドドルは1.34台半ばから後半での推移となった。日銀議事録による利上げムードで下押しされた東京市場の動きからは反発したものの、協調介入の影響が残る中で円安方向への試みには慎重さがみられた。原油先物が反発した時間帯にはややユーロ売り・ポンド買いの動きとなり、ポンド円の上昇を支えた。

 NY市場では、ドル円は157円台で上下動した。協調介入の急落から下げ一服で買戻しも入るが、200日線のある158.05円付近が上値メドとして意識され米雇用統計を控えて慎重姿勢が強まった。市場では介入効果の持続性に疑問が多く、本格的な円安転換にはFRBの利上げ期待後退や日銀の利上げ加速が必要との見方が主流となっている。ユーロドルは1.15ドル台半ばで小幅に振幅し、100日線の1.1570ドル付近が目標視された。地政学リスクの中で比較的安定したユーロ圏国債に避難資金が向かう動きも指摘された。ポンドドルは1.34ドル台後半へ続伸しリバウンド基調を維持、ポンド円は212円台へ買われ200日線を回復した。英財政問題の過度な懸念は後退も、英経済減速によるポンド下落リスクが残る。

(6日) 
 東京市場では、主要通貨は落ち着いた動きとなった。ドル円は157.56-157.80円の狭いレンジに終始した。介入警戒感が上値を抑える一方で地合いの強さから押し目買いが入り、翌日の米雇用統計を控えた様子見ムードも加わって上下に動きにくかった。ユーロドルは朝方に前日高値をわずかに更新する1.1560ドルまで買われたが伸び悩み、午後に1.1545ドルへ反落した。ユーロ円は対ドルでのユーロ買いもあり182.34円まで上昇して介入後の戻り高値を更新したものの、その後はもみ合いとなった。ポンドドルは1.3500ドル手前の売りに阻まれ1.34台後半で推移。ポンド円は早朝に212.58円まで高値を伸ばした後に調整売りが入り、212円台でのもみ合いに終始した。

 ロンドン市場では、翌日の米雇用統計を控えたポジション調整からドル買戻しが優勢となった。ドル円は東京朝方の157.50台から157.89付近までじり高となったが、NYカットでの大規模オプション設定が重石となり158円台には乗せ切れなかった。米10年債利回りは4.62%台後半へ上昇し、NY原油先物も76ドルに迫った。欧州通貨では低調なユーロ圏指標を受けてユーロ売り・ポンド買いが優勢となり、ユーロドルは1.1537付近へ軟化、ポンドドルは1.3452付近へ下押しされた。英建設業PMI改善に対しユーロ圏小売売上高の下振れが対照的となった。クロス円は重大イベント前で方向感を欠き、ユーロ円は182円台前半、ポンド円は212円台前半から半ばの狭い揉み合いに終始した。

 NY市場では、ドル円はストップロスを巻き込み158円台半ばまで急伸し、介入後の高値を更新した。ホルムズ海峡正常化期待の後退による原油高や米国債利回り上昇に伴いドル高が加速し、200日線(158円付近)を完全に回復した。ウォーシュ米FRB議長の利上げ辞さないタカ派報道も支援材料となった。翌日の米雇用統計が上振れすれば200日線の上放れも予想されるが、日米当局の介入警戒も必至とされる。ユーロドルは1.15ドル台前半へ緩やかに下落し、ユーロ円は182円台半ばへ上昇した。ポンドドルは1.35ドルの抵抗が強く1.34ドル台半ばへ押し戻されたが、ポンド円は円安の波に乗って213円台へ浮上した。新首相の財政政策への懸念は残るものの落ち着いた値動きが続いている。

(7日) 
 東京市場でドル円は、158.57円付近まで強含んだ後、158.22円付近まで軟化したが、方向感は限定的で前日高値付近を維持した。今夜の米雇用統計の発表を控えて積極的な売買は見送られているものの、超異例な日米協調介入の余韻が残る中、今回の雇用統計に対する注目度は普段よりも限定的となっている。指標結果からトレンドが発生する展開はあまり想定されておらず、市場では来月の日銀金融政策決定会合など日米当局の意向を探る雰囲気が強い。ユーロ円が182.33円付近、ポンド円が212.87円付近、豪ドル円が111.20円付近まで弱含むなど全般に円買いがやや優勢となったが、ドル円同様に方向感は限られた。なお、7月の中国貿易統計はほとんど材料視されなかった。

 ロンドン市場は、米雇用統計発表を控えて全般に小動き。ドル円は158円台前半、ユーロドルは1.15台前半、ポンドドルは1.34台前半から半ばで推移している。クロス円も小動きで、ユーロ円は182円台半ば、ポンド円は212円台後半で推移。ユーロ対ポンドではユーロ買い・ポンド売りのフローが入っているが、新規材料は見当たらない。欧州株や米株先物・時間外取引はプラス圏でのもみ合い。NY原油先物は77ドル付近と小安い。米10年債利回りは4.66%付近へ小幅低下。トランプ米大統領は「投票前の利上げ判断は完全にウォーシュ氏次第というわけではない」と発言しており、米金融政策への政治の関与が懸念される内容。ただ、米雇用統計前のタイミングで市場は反応薄だった。

 NY市場はドル売りが強まりドル円は156.70まで一時急降下。この日発表の7月の米雇用統計で非農業部門雇用者数(NFP)が予想外の減少となったほか、平均時給も前月比0.1%の上昇と、昨年12月以来の低い伸びとなった。過去2カ月分のNFPも大幅に下方修正されている。年前半の米労働市場の強さに陰りが見え始めたことを示唆している。短期金融市場では、9月の米利上げ期待が後退。発表前までは確率が55%程度で推移していたものの、発表後は40%程度に低下した。

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。