【来週の注目材料】今後の姿勢を占う=米FOMC議事要旨

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【来週の注目材料】今後の姿勢を占う=米FOMC議事要旨

 世界的にサマーバケーションシーズンであり、取引はやや低調となっています。今週はそれほど目立った米指標の発表予定もなく、市場はウォーシュFRB議長が基調講演を実施する27〜29日のカンザスシティ連銀主催シンポジウム「ジャクソンホール会議」に向かっています。

 そうした中、今週ある程度注目を集めているのが、19日(日本時間20日午前3時)発表の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月28・29日開催分)です。今年5月22日に就任したウォーシュFRB議長は、就任後初となった6月のFOMCで発表時の声明からフォワードガイダンスを削除。今後もフォワードガイダンスを示さない方針を示し、実際7月のFOMCでの声明もガイダンスを省いた簡素なものとなりました。声明文自体も6月とほぼ同じでした。主な違いは、据え置きの決定が6月は全会一致、7月は9対3であったことを示した部分と、潤沢な準備預金を維持するという方針について、6月の「再確認する」から7月の「継続する」への表現変更、そして7月の声明で3名の反対者の氏名と0.25%の利上げ主張であったことを示した部分となっています。前職のパウエル議長時代の声明と比べると分量も3分の1程度となっています。

 こうした中、マーケットではFRBの姿勢を知る手段として議事要旨をより重要視しています。
前回6月のFOMC議事要旨では、結果的には全会一致となった同会合において、数人の参加者が金利を引き上げる根拠が既に存在すると主張していたことが判明。また、「参加者は総じて、会合間の期間に受け取った情報が、物価安定に対する上振れリスクが依然として高い一方で、最大雇用の達成に対する下振れリスクが幾分緩和したことを示唆していると判断した」と示しました。これらを受けて市場ではFRB内のタカ派姿勢が印象付けられています。

 今回議事要旨が示される7月のFOMCでは、利上げを主張して反対した委員が3名出ました。同じ方向(今回はタカ派方向)での反対3名は2016年9月のFOMC以来約10年ぶりとなります。ウォーシュ議長は記者会見での質疑応答で3名の利上げ主張について質問を受け、「利上げを焦るのではなく、収集したデータを見極め、検証するプロセスが必要」と説明しました。また、タカ派的な意見も出た会合での議論について「仲の良い家族喧嘩」と評しています。

 今回の議事要旨でタカ派姿勢がより強調されるようだと、ドル高が強まる可能性があります。短期金利市場の動きから算出した次回9月のFOMCでの利上げ期待は、7月28・29日のFOMC前までほぼ100%となっていましたが、ウォーシュ議長のデータを見極める姿勢を受けて70%台へ低下。さらに7日の米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想外の前月比マイナス、平均時給の伸びが予想外に鈍化、労働参加率が2021年2月以来の低水準など、サプライズなほどの弱さを示したことで40%台まで低下し、据え置き見通しが過半数を超えてきています。こうした状況が議事要旨を受けてどこまで変化するかが注目されます。

MINKABUPRESS 山岡

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