ドル円、狭いレンジでの推移継続 ウォーシュ議長の講演を控え様子見ムード=NY為替概況 きょうのNY為替市場、ドル円は159円台前半での狭いレンジでの推移が継続。金曜日のウォーシュ議長の講演を控えて様子見ムードが強く、積極的に方向感を探る動きは限られている。 市場では、米国がイランと取引を続ける国に対する制裁警告を実際に実行に移すかが注目されている。特に中国はイラン産原油の約90%を購入しているとされるが、米政府が不安定な米中貿易休戦を維持し、世界経済へのショックを回避したいとの思惑もあり、中国に対する強硬措置には懐疑的な見方も多い。 ただ、一部からは、米中間の通商・地政学的な緊張が一段と高まれば、リスク回避から安全資産としてドルが買われる可能性があるとの指摘も聞かれる。ベッセント財務長官がイランに関連したマネーロンダリングを巡って大手金融機関への措置を警告しており、仮に中国の銀行が対象となれば、米中関係の緊張とともにドル買いを誘う可能性も指摘されているようだ。 一方、ベッセント長官による米国債市場への積極的な姿勢を背景に、ドルの価値希薄化を巡る議論も根強い。市場の焦点は28日のジャクソンホールで予定されるウォーシュ議長の講演に移っており、根強いインフレへの対応に加え、ドルの価値希薄化への懸念を打ち消す発言が出るかが注目される。そうしたけん制がなければ、ドル安圧力が再び強まる可能性もあるという。 ユーロドルは1.16ドル台で底堅く推移。一時1.1675ドルまで上昇しており、最近のユーロ高基調を維持している。一方、ユーロ円も185円台後半まで上昇し、一時185.95円を付けた。 この日発表されたドイツのIfo景況感指数が1年ぶりの高水準まで上昇したことがユーロを下支えしている。景況感の改善はこれで4カ月連続。ドイツ経済はイラン紛争やエネルギー価格の高止まりに加え、ライン川の水位低下による河川輸送への影響といった逆風に直面しているものの、製造業の受注増加などを背景に底堅さを示している。 エコノミストは、最近の経済指標を踏まえてドイツのGDP成長率予想を2026年は1.1%、2027年は1.5%へ引き上げた。第1、第2四半期とも潜在成長を上回る成長を記録し、2022年以来の高い成長を達成する方向にあるとも指摘している。ただ、自律的な景気回復が始まったと判断するにはまだ早いとの慎重な見方も根強い。 ポンドドルは1.36ドル台での推移が継続。上値には慎重なものの、堅調な推移が続いている。一方、ポンド円は217円台で推移しており、介入の下げを取り戻す展開が続いている。 エコノミストが、英国でエネルギー料金上限が再び引き上げられればバーナム首相による電気料金の減税効果を相殺してしまうことになると指摘。英エネルギー規制当局(オフジェム)は10月に料金上限を引き上げることが予想されている。バーナム政権は10月から家庭用電気料金の付加価値税(VAT)を撤廃する方針で、年間約45ポンドの負担軽減を見込んでいる。 ただ、料金上限の引き上げが総合インフレに与える影響は限定的となる可能性が高いと指摘。オフジェムの料金上限はガスと電気の両方を利用する一般的な世帯を基準としているが、電気だけを利用する世帯もあり、そうした世帯では料金が下がる可能性が高いという。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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