ドル円、155円台を回復 FOMC前に米10年債が再び5%台に上昇=NY為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
ドル円、155円台を回復 FOMC前に米10年債が再び5%台に上昇=NY為替概況

 きょうもNY為替市場はドル高が優勢となる中、ドル円は155円台を回復。明日のFOMCを前に米金利上昇への警戒が強まっている。米10年債利回りが再び5%台まで上昇する中、高金利環境の長期化への懸念がドル買いを促している。中東情勢の緊迫化を背景とした原油高に歯止めがかからず、WTIも106ドル台まで上昇。

 ただ、市場では原油高と米金利高というドルの追い風が重なっているにもかかわらず、ドル円の155円台維持に懐疑的な見方も出ている。物価を差し引いた日米の実質金利差は円安を促す方向に拡大しているものの、従来のように金利差に敏感に反応し、円売りが強まる動きは見られていないという。

 背景には、先行きに日米金利差縮小の観測が強まっていることがある。短期金融市場では日銀が今週追加利上げに踏み切った後も、来年3月末までにさらに2回の利上げを実施との見方が織り込まれ始めている。足元で金利差が拡大しても、先行きの縮小が見込まれる中では円ショートを積み直す魅力は薄れ、米金利上昇に対するドル円の反応を鈍らせていると述べている。

 明日のFOMCと金曜日の日銀会合が次の方向性を探る重要イベントになりそうだ。市場ではドル円の下方向へのリスクが引き続き優勢との見方もあり、両会合を通過しても155円台が上値抵抗として維持されるようなら、今後数週間で152円付近まで下落する可能性も指摘されている。ただし、市場は日銀の利上げに前のめりになり過ぎているとの声も聞かれる。

 ユーロドルは東京時間に一時1.15ドル台前半に下落したものの、一時1.15ドル台半ばに買い戻される展開。一方、ユーロ円は買い戻しが優勢となり、179円台に一時上昇した。

 ECBの10月の追加利上げ観測が後退する中、オプション市場ではユーロの先安観が強まっており、向こう1カ月のユーロ下落を見込む取引が増加している。ユーロドルの1カ月物リスクリバーサルは、3日連続でプット優位が拡大。ユーロの下落に備えるプットの需要が上昇を見込むコールを一段と上回っている。

 トレーダーは8月下旬以降、総じてユーロに弱気な見方を維持している。足元では向こう1カ月について、ユーロ上昇を見込むコールよりも下落を見込むプットに高いプレミアムを支払う状況。背景にはECBの10月の追加利上げ期待の後退がある。短期金融市場が織り込む10月のECBの利上げ確率は約50%に留まっており、中銀当局者の姿勢との隔たりも意識されている。

 ポンドドルは1.34ドル台で方向感のない展開。本日は英雇用統計が公表されていたが、雇用情勢は一段と軟化を示していた。一方、ポンド円は円安が優勢で209円台まで回復。

 今週は英中銀も金融政策委員会(MPC)が予定されているが、今回は据え置きが確実視。ただ、市場の年内利上げ期待は根強く、それを占う上で投資家は委員の票割れに注目している。6対3での決定になるとの見方がコンセンサス。

 アナリストからはまた、票割れに加えて委員の発言にも注目すべきだとの指摘が出ている。ベイリー総裁が、エネルギー高などによるインフレの二次的な波及効果は抑制されているとの従来の見方を改めて強調すれば、英中銀の追加利上げ観測が後退する可能性があるという。一方、インフレ見通しの上振れを示唆すれば、市場では現在織り込まれている利上げ見通しを追認したと受け止められる可能性がある。短期金融市場では、27年半ばまでに計4回の利上げを完全に織り込んでいる状況。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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