【これからの見通し】米中の目先の材料はひとまず出そろい、ポジション調整に

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】米中の目先の材料はひとまず出そろい、ポジション調整に

 米中貿易摩擦が深刻化している。トランプ米大統領が中国の対応が遅いとして、関税率の引き上げを表明。これに中国が反発して、6月1日からの対抗措置の実施を表明。さらに、米国側は3000億ドル規模の中国製品を対象とした制裁関税第4弾を発表した。双方の措置の詳細も明らかにされてきており、ひとまず双方の駒は出そろっている。今後はそれぞれの措置の実施状況や、各国企業や物価動向に対する影響について報道されてくることになろう。

 株式や為替など各市場はひとまずリスク回避の動きが一服。東京午前には、トランプ大統領の「中国との貿易協議が成功すると感じている、国との協議が成功か3-4週間以内に分るだろう」との発言をきっかけにドル円が109円台前半から後半へと反発。クロス円も同様の動きを示していた。この後の海外市場では、米株先物などの動きをにらみながらも、これまでのリスク回避に対するポジション調整が入りそうな局面とみられる。

 この後発表される経済指標は、英ILO雇用統計(3月)、ドイツZEW景況感指数(5月)、ユーロ圏鉱工業生産(3月)、米輸入物価指数(4月)など。英雇用統計では賃金の伸びが注目されることが多い。今回の予想は前年比+3.4%と前回の+3.5%からは若干伸びが鈍化する見込み。ユーロ圏鉱工業生産は前回から引き続き前月比マイナスの予想。ドイツZEW景況感指数は+5.0と前回の+3.1から改善の動きが続く見込み。米輸入物価にはまだ関税措置の影響は見られない見込み。

 米金融当局者らの発言予定は多め。ロンドン時間にはウィリアムズNY連銀総裁、NY時間にはジョージ・カンザスシティ連銀総裁とデイリー・サンフランシスコ連銀総裁の講演が予定されている。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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