欧州株堅調、円高一服も戻りは限定的=ロンドン為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 27日のロンドン市場は、円高が一服しているが戻りは限定的。週明けの欧州株は堅調にスタートしている。先週末に米株式市場が堅調だった流れを受けたもの。パウエルFRB議長のジャクソンホール講演が事前予想ほどタカ派的ではなかったことが、株式市場には好感されていた。週明けの東京市場では輸出など実需からの円買いフローが入っていたが、ロンドン序盤にはその動きは一服。ドル円、クロス円ともに買戻しが入っている。ただ、連休明けのトルコ市場でリラが下落したことや、EU財政規律問題でイタリア債やイタリア株が売られており、積極的に円売りを進める動きにはなっていない。

 ドル円は111円台前半での取引。東京午前に111.20割れから110.94レベルまで下押しされる場面があったが、午後からは買い戻しが優勢に。ロンドン序盤には111.19レベルの戻り高値をつけた。ただ、東京朝方の円安水準には戻しきれず、111.10付近での取引となっている。

 ユーロドルは1.16台前半での取引。東京市場では1.1653レベルまで買われた後は頭打ちとなり午後には下押しの流れ。ロンドン序盤には1.1595レベルまで安値を広げた。その後は欧州株が総じて堅調となったことでユーロ円とともに買い戻されている。ただ、1.1620台では上値を抑えられている。ユーロ円はロンドン序盤に128.80レベルの安値をつけたあとは129円台を回復。ただ、買い戻しは129.20近辺までにとどまっている。難民問題に関連してイタリア政府がEU財政規律を遵守できない可能性を示している。また、連休明けのトルコ市場でリラが下落して取引を開始するなどユーロ相場を圧迫する状況がみられている。一方、この日発表された8月のドイツIfo景況感指数は103.8と事前予想101.8を大きく上回った。今年2月以来の高水準。現況指数が105.4から106.4に上昇、期待指数は98.2から101.2に上昇した。

 ポンドドルは1.28台半ばでの取引。ロンドン序盤に1.2829レベルまで下押しされたが、その後は1.2850台まで買い戻されている。ポンド円は序盤に142.53レベルの安値をつけ、その後の反発は142.80近辺まで。東京午前には143円台を付ける場面もあったが、ロンドン市場では上値が重い。この日はサマーバンクホリデーのため英株式市場は休場。特段の英経済指標発表はなく、ユーロ相場をにらむ動きにとどまっている。

minkabu PRESS編集部 松木秀明 

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