【これからの見通し】ドル高への調整圧力続くか、きょうは日米首脳会談 ドル相場の流れが転換するのかどうかが注目される。ドル指数は4月下旬以降のドル高の流れで90近辺から95近辺まで上昇した。しかし、5月末からは動向が反転しており、現在は93台半ばへと低下してきている。 ドル指数は主にユーロドルの動向を反映することで知られており、米国対欧州の材料が注目されやすくなっている。足元の金融政策面では、米FOMCでの6月利上げが市場に十分織り込まれている。一方で、来週のECB理事会については、今週に入ってから出口戦略に関する議論が行われるとの見通しが広がっており、相場にフレッシュな材料と捉えられた。 また、ユーロドルの上昇にはイタリア政局の変化がEU離脱といった極端な動きにはつながらなかったことで、安心感から買われた面もあった。いわゆるリスク回避ムードの後退がユーロ円の上昇とともにユーロドルの反発、ひいてはドル安につながった面も指摘されよう。 ただ、ここからはどうか。ECB理事会については現状の景気の伸び鈍化についての判断が注目される。第1四半期の成長鈍化が一時的なものなのか、構造的に低成長となる兆しがあるのか判断が分かれるところだろう。金融政策についても慎重路線が踏襲される可能性がある。米国についてはFOMCで中立金利の水準が注目されそうだ。利上げの行き着く先はどの程度かがそろそろ意識されるか。 きょうは比較的材料が少ない。先ほど発表された4月のドイツ製造業受注は前月比-2.5%と事前予想+0.8%から予想外の低下となった。このあとはユーロ圏GDP・確報値(第1四半期)の発表が予定されている。英国では、ハリファックス住宅価格(5月)が発表される。ラムスデン英中銀副総裁の講演が予定されている。トルコ中銀政策金利発表では、据え置き派と1%程度の利上げ派に予想が割れている。米国では米新規失業保険申請件数(2日までの週)が発表される。 また、日米首脳会談が実施される。市場では拉致問題についての強い態度とひきかえに貿易収支均衡への圧力が掛かる可能性を警戒しているようだ。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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