ドル円は110円台を堅持 米ファンダメンタルズへの期待がサポート=NY為替前半

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 きょうのNY為替市場、ドル円は伸び悩む動きを見せているものの110円台は堅持しており底堅い動きを見せている。きょうのドル円はロンドン時間に買いが強まり110円台を回復した。一時110.25円近辺まで上昇し、200日線に顔合わせする場面も見られている。

 きょうはドル高というよりも円安の動きがドル円を押し上げている。200日線に敬意を払う形で、その後は伸び悩み109円台に戻していたが、再び110円台を回復している。明日の日本時間23時のNYカットで110円ちょうどのオプションの期日到来が大量に観測されており、それに絡んだ動きも見られる。

 米国債利回りの上昇が続いていることや、米株式市場でダウ平均が2万5千ドル台を回復するなど、米ファンダメンタルズに期待したリスク選好的な雰囲気がドル円をサポートしているようだ。

 イタリアへのリスクは後退しているものの、貿易問題へのリスクが高まっており、今週のG7サミットで、トランプ大統領が合意文書に署名しないのではとの観測も出ている。ただ、先週の米雇用統計など米経済指標は好調な内容が相次いでおり、米インフレや利上げ期待が高まっている。日米の金融政策の格差拡大からファンダメンタルズ的にドル円は上値を期待できそうだが、政治リスクが重しとなっている状況に変化はない。

 ユーロは買い戻しが続いており、ユーロドルは一時1.18ドル手前まで上昇。本日の21日線が1.1755ドル付近に来ており、明日以降の動きが注目される展開となっている。

 きのう、ECBは14日の理事会で量的緩和(QE)終了を予断を持たず議論するとの報道が伝わり、市場のムードに変化が出ているようだ。第1四半期の景気減速が一時的なものなのか、まだ経済指標では確認はできておらず、今月のECB理事会では、出口戦略に関しては積極的な議論は行われないと見られていた。9月で終了する現在の資産購入後の出口戦略に向けた具体策が公表されるのは早くても7月と見込まれている。

 貿易問題や政治リスクなどを考慮すると、来週の理事会で何らかの具体策が公表される可能性は低いように思われるが、ドラギ総裁が会見で何らかのヒントを示す可能性は出てきているのかもしれない。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美 

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