イタリア政局への懸念が緩み 前日の反対売買が優勢=NY為替前半

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 きょうのNY為替市場、前日の反対売買が優勢となっており、ドル円も109円ちょうど付近まで戻している。イタリアの政局への警戒感が本日は緩んでいる。前日は再選挙が7月にも実施されるとの観測も出て警戒感が高まったが、イタリアのマッタレッラ大統領が、その観測には否定的な考えを示していることや、五つ星運動と同盟が再度、組閣を試みる気配も出ている。

 同大統領が否定したユーロ懐疑派のサボナ氏の財務相への起用は見送り、別の役職を検討するとしている。ここにきて再選挙回避への期待感も高まっている模様。

 ドル円は買い戻しが優勢となり、一時109円台まで戻す場面も見られた。この日はADP雇用統計や米GDP改定値が発表になり、ADP雇用統計は予想を下回る内容となったものの、特に反応は限定的となっている。

 市場の関心はファンダメンタルズよりも政局に関心が集中している模様。イタリアのみならず、米中貿易問題も不透明感が根強い。きょうは中国が貿易問題で米国に反対する欧州やアジアの国々との連携を模索しているとの報道も伝わっていた。ドル円は109円台を一時回復したものの、110円に向かう気配は見られず慎重な雰囲気は続いている。

 ユーロドルも買い戻しが強まり、1.16ドル台半ばまで戻している。ただ、ここからユーロが本格的にリバウンドすると見ている向きは少ない。イタリアは不安定な情勢が続くと見ており、また、市場の関心がファンダメンタルズに戻ったとしても、ユーロドルは1.20ドルを目指す前に1.10ドルに向かうとの見方も強まっているようだ。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美
 

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