【これからの見通し】イタリア政治混乱の余波は、あすからの一連の米経済指標発表控えて

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】イタリア政治混乱の余波は、あすからの一連の米経済指標発表控えて

 きょう発表される経済指標は、米国で米S&Pケースシラー住宅価格(3月)と米コンファレンスボード消費者信頼感指数(5月)が発表される程度。消費者信頼感が予想から余程離れた結果とならない限り、市場の反応は小さそうだ。あすから週末にかけては米ADP雇用統計、米GDP改定値、米PCEデフレータ、そして米雇用統計といった注目指標が発表されるが、きょうは一連の経済統計発表を控えて材料難。

 そのなかで、先週から引き続き市場にはリスク回避ムードが優勢になっている。最も目立つ材料がイタリア政局の不透明感。マッタレッラ伊大統領はコッタレッリ氏を暫定首相として指名、組閣要請をした。ただ、前回の選挙で過半を占めた五つ星と同盟の賛同が得られるはずもなく、今後は総選挙が行われる見込み。世論調査ではさらに両党の支持が上昇しているとの見方もあり、反EU政策が今後の火種となることが警戒されている。

 ただ、目先は新たな材料待ちとなっており、市場のリスク回避行動は一巡する可能性がある。先に指摘したように、明日以降は米経済指標発表が目白押しとなっており、政治不安に基づく短期ポジションには調整が入りやすい状況とみられるが、どうか。

 東京時間にはブラード・セントルイス中銀総裁がハト派の金融政策見通しを示していた。同総裁はもともとハト派とみられることから、市場のドル売り反応はそれほど目立っていない。ただ、話題の軸が、これまでのような単純な年内利上げ回数から、中立金利を探る議論や長短金利の逆転といったイールドカーブについて移行してきた印象はある。まだ、時期尚早とみられるが、出口の終着点について見据えた議論も今後活発になってきそうだ。

minkabu PRESS編集部 松木秀明  
 

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