きょうのNY為替市場でドル円は堅調に推移しており、113円台での取引となっている。きょうも米10年債利回りが上昇するなど、イールドカーブのフラット化の修正が続いており、ドル円をサポート。米株も利益確定売りが入るものの底堅さも堅持しておりドル円の支援となっているようだ。一時113.35円付近まで上昇するなど12月12日の高値113.75円付近が意識される展開となってきたが、目先は113円台を固められるかが最大の注目ではあろう。 先ほど米下院は税制改革法案を再採決で可決した。法案はトランプ大統領に送られ署名を待つ。ホワイトハウスは後日、大統領が署名するとしており、成立はほぼ確実といった情勢。しかし、為替市場は既に十分織り込んでおり、それ自体への反応は限定的となっている。 今回の税制改革は幅広く米納税者に恩恵が出るが、一方で減税に伴う成長を加味しなければ、向こう10年で1.5兆ドルの赤字拡大との試算も出ている。為替市場がこれを財政赤字拡大への懸念と捉えるかは来年以降の隠れた注目点の一つではある。 明日は日銀決定会合の結果発表が予定されている。政策変更無しが確実視される中、市場は黒田総裁の会見に焦点をあてている。出口戦略、金融緩和の副作用などへの言及があるか注目だが、現段階でそれを強調することはないものと思われる。 一方、ユーロも買いが強まっている。ユーロドルは先日のECB理事会後のドラギ総裁の会見直後につけた1.1860ドル水準を突破し、一気に1.19ドル台を付ける場面も見られた。米税制改革や米国債のフラット化の修正からドル買いも出るなか、ユーロドルの下値を見込んでいた短期筋のストップロスを巻き込んだものと見られる。来年もユーロ高継続に期待した買いも追随しているのかもしれない。1.19ドル台の上値レジスタンスとしては1.1940ドル付近と直近高値の1.1960ドル付近が意識される。 欧州債利回りの上昇もユーロをサポート。前日の理事会メンバーのタカ派な発言を引続き材料視しているようだ。一方、短期金融市場では、-0.4%のマイナス金利を採用している中銀預金金利の利上げを見込んでいるが、その開始時期の予想が先週は2019年7月だったが、今週は2019年3月に前倒しされている。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美
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