きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となり、ドル円は113円台に下落している。特段の売り材料も見当たらない中、ドルは戻り売りに押された格好となったが、先週は下院共和党による米税制改革案の提出や次期FRB議長にパウエル氏が指名されたことで、週明けの市場は一服感が出たのかもしれない。 米税制改革に関しては財政赤字への警戒感から、可決できるか懐疑的な見方は根強くある。しかし、景気回復への期待は高く米利上げ期待は根強い。米利上げについては、来年の利上げ回数を従来の3回から4回に上方修正する向きもいるようだ。 先週の米雇用統計で平均時給が予想を下回るなど、インフレ鈍化懸念は根強い。しかし、雇用や消費など他の指標が堅調で、インフレ鈍化がある程度の範囲に収まっていれば、FRBは利上げを継続すると見ているようだ。 ドル円は113円台に下落。東京時間には仲値に絡んだ買いなどで一時114.75付近まで上昇した。ただ、その後は戻り売りに押される展開となっている。114.50から115.00にかけての売り圧力の強さがうかがわれる動きで、短期のロング勢も一旦利益確定売りを入れたようだ。過熱感はまだないが、達成感が出たのかもしれない。 ただ、上値期待は根強く、NY時間に入って113円台まで下げ幅を拡大しているものの、下値では押し目を拾う動きも見られている。 ユーロドルは序盤の1.15台から1.16台へ回復。ただ、先日のECB理事会を通過してユーロの上値へのモメンタムは低下しているようで、短期的には心理的節目の1.15割れを試すとの見方が優勢だ。 一方、きょうはポンドの買い戻しが目立っている。ポンドドルは1.3170近辺まで上昇。先週の急落からのショートカバーが出ているものと思われるが、下値警戒感は根強い。 市場の関心は今週のEU離脱交渉に焦点が移っている。9日から2日間の日程で交渉を行う。なかなか進展を見せないが、その交渉が不調に終わるようであれば、ポンドは更なる下値模索も警戒されているようだ。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美
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