11月2日木曜日は英中銀のスーパーサーズデーです。 金融政策会合(MPC)の結果発表、議事録公表に加え、四半期インフレ報告と、カーニー中銀総裁の会見が行われるスーパーサーズデーは、通常のMPCよりも政策の変更が行われやすいといわれており、9年ぶりの利上げ実施見通しが強まっています。 消費者物価指数(CPI)の前年比を対象としたインフレターゲットを採用する英中銀、17日に発表された最新9月分の水準は、前年比+3.0%と、ターゲットの2.0%をしっかり上回り、許容幅とされる±1.0%の上限ぎりぎりとなる3.0%。 英国にとって史上最低水準である+0.25%からの正常化を意識させる状況となっています。 物価への警戒感から英中銀MPCは3月時点で1名の委員が利上げに投票。この委員(フォーブス氏)は6月で退任していますが、マカファティ―委員とサンダース委員が6月のMPCから利上げ投票に回っています。(フォーブス氏がまだいた6月だけ3名の利上げ主張、それ以降の8月と9月は2名の利上げ主張)。 その後、チーフエコノミストであるホールデン理事などが利上げに前向き姿勢を示しているほか、カーニー総裁も利上げに比較的前向きな姿勢を示しており、利上げ期待がかなり強い状況となっています。 もっとも、慎重な意見も見られます。 25日に発表された第3四半期GDPは、前年比が+1.5%と第2四半期同様にかなり冴えない水準に。 ブレグジッドへの警戒感もあって、早期の利上げを見送るべきというメンバーも残っています。 例えば、カンリフ副総裁は、以前から景気回復の見極めが必要と早期の利上げに消極的でしたが、直近の新聞社のインタビューで「金利上昇開始の具体的なタイミングについての自分自身答えはまだない」と利上げに消極的な発言を行いました。 9月にメンバーに加わったラムスデン副総裁も 議会証言の中で国内労働市場でインフレ圧力が増した兆候がほとんどなく、利上げが必要だという意見に与する理由がないと、利上げに反対する姿勢を示しています。 3名の副総裁のうち2名が利上げに慎重という状況(残り1人のブロードベンド副総裁は直近目立った発言が無く、立場が未定)、利上げを決めたとしても、全会一致ではなくある程度分かれたものとなりそうです。 今後の利上げペース継続への期待にもつながるため、 何対何の利上げ(もしくは据え置き)なのか、 会見でのカーニー総裁の今後に向けた姿勢はどうなのかなども含めて しっかり見ていきたいところです。 minkabu PRESS編集部 山岡和雅
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