調整ムード強まりドル円も戻り売り強まる＝ＮＹ為替前半

　きょうのＮＹ為替市場はドル売りが強まっている。市場全体に調整ムードが強まっており、ダウ平均も利益確定売りが強まる中、ドル円も戻り売りが強まっている。きょうのドル円は景気の先行き期待から114.20近辺まで上昇していたが、そこから７月高値の114.50水準を目指す動きも見せなかったことから見切売りが入っているものと思われる。

　この日の米新築住宅販売が強い内容だったものの反応が限定的だったことも利益確定売りを誘発した可能性もありそうだ。

　ドル円は一時113.50付近まで下げ幅を拡大し、前日のＮＹ時間の終盤につけた安値に顔合わせしている。目先の下値サポートとしては、前日と前々日にサポートされた113.25付近が意識。

　米国債利回りも序盤の上げを縮小する動きとなっているが、いまのところプラス圏では推移している。きょうは売りが強まっているものの、あくまで急ピッチな上昇からの調整との見方は根強い。

　一方、ユーロドルは買い戻しが膨らんでおり、1.18台を回復。きょうの上げで２１日線を回復してきているものの、1.18台には９月からの下降トレンドの上値抵抗ラインも来ていることから、売り圧力も根強くあるようだ。ただ、上昇トレンドに回帰できるか注目の動きは見られている。

　明日のＥＣＢ理事会が一つのきっかけとなりそうだ。市場では来年以降の出口戦略を打ち出すことが確実視されているが、具体的策については見方が様々出ており、コンセンサスも形成できないようだ。比較的多い見方としては、資産購入額を３００億ユーロに減らし、９ヵ月間続けるというもの。

　なかには、来年１年間で１８００億ユーロを購入するという総額のみ示すとの見方もあるようだ。購入額の具体的な減らし方まで今回は言及しないとしている。いずれにしろ、明日はユーロにとって重要な１日となりそうだ。

　きょうはカナダの下げ目立っている。きょうはカナダ中銀の金融政策委員会が開催され、成長見通しは引き上げられたものの、インフレ目標の到達時期を２０１８年の下半期に後退させたほか、ＮＡＦＴＡ再交渉への不透明感についても言及している。「追加利上げについては注意深くなるだろう」とも語っていた。

　今回の声明はカナダ中銀が慎重姿勢を強めていることをうかがわせる内容ではある。なお政策金利は大方の予想通り据え置き。カナダ円は90円ちょうど付近から一時88円台半ばまで売りが強まった。

　年内はあと１２月に金融政策委員会が予定されているが、据え置きの可能性が高い。ＮＡＦＴＡの再交渉が行き詰まっていることもリスクとして意識されていることから、カナダドルはしばらく軟調な動きとなるリスクも警戒される。

minkabu PRESS編集部　野沢卓美
 

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