FOMCを受けて年内の利上げ期待が強まる展開となっています。 もっとも、まだまだ据え置き派も根強い状況。 今後に向けて物価や雇用などの経済指標への注目度が高まるとともに、FOMC参加メンバーの姿勢なども要チェックの項目となっています。 FOMCのドットチャートで示された2017年末時点での金利水準見通しでは、16名中12名が1回以上の利上げを前提とした水準、4名が現行水準を示しました。 利上げの回数として2回(もしくは一回で0.5%の大幅)を主張するメンバーはさすがに減ったものの、利上げ自体を見込む人数は6月のドットチャートと変わっておらず、タカ派な印象を与える結果となりました。 もっともFOMCで地区連銀総裁はNY連銀を除いて投票権は輪番でした有しておらず、現状では理事を合わせ9名での多数決となっています。 4名の据え置き主張メンバーのうち、3名が今年の投票権持ちと見込まれており、9名中3名と、ドットチャートほど多数派という印象は実はありません。 今回は利上げ見通しに回ったと見られているイエレン議長などが据え置き主張に回ると一気に状況は変化します。 そうした中、来週は多くのメンバーの公演が予定されています。 25日にはダドリーNY連銀総裁とエバンス・シカゴ連銀総裁(投票権あり) 26日にはイエレンFRB議長とカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(投票権あり)、メスター・クリーブランド連銀総裁(投票権無し) 27日にはブラード・セントルイス連銀総裁(投票権無し) 28日にはローゼングレン・ボストン連銀総裁(投票権無し)とジョージ・カンザスシティ連銀総裁(投票権無し) 29日にはハーカーフィラデルフィア連銀総裁(投票権あり)といった具合です。 このうち注目は25日のダドリーNY連銀総裁と26日のイエレン議長。 米国の金融政策の実務を担うNY連銀の総裁として注目度の高いダドリーNY連銀総裁は中立派と見られていますが、年内の利上げについては比較的前向きな姿勢を維持しています。今回の講演でも利上げに積極的な姿勢が見られるようだと、FOMC内での利上げムードが印象付けられてドル買いにつながる可能性があります。 さらに注目はイエレン議長。ドットチャートでは0.25%の利上げを織り込んだとみられますが、従来のハト派姿勢から講演ではかなり慎重な見通しを示す可能性があり、この場合据え置き見通しが強まって、ドル売りが強まる可能性があります。 その他メンバーの講演にも神経質に反応する可能性がありますので、要注意です。 みんかぶ「KlugFX」山岡和雅
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