【これからの見通し】週末に向けて一段のドル売り進行も、悪材料多く

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】週末に向けて一段のドル売り進行も、悪材料多く

 週末のマーケットではドル売りが進行している。昨日のECB理事会では10月に今後のQEプログラムについての大枠が決定されるとしており、市場では出口戦略に向けた前進ととらえた。ユーロドルは1.20台に再び乗せ、高値を伸ばしている。また、東京午後にはドル円が107円台に突入した。週末調整ムードもあるなかで、メキシコでの強い地震発生がリスク回避のきっかけとなった面があったようだ。週末9日は北朝鮮の建国記念日で、ミサイル発射や核実験などさらなる挑発行為が警戒されている。来週の週明けマーケットで再び円相場がギャップを空ける可能性があり、注意しておきたい。

 米国にとってはハリケーンが続々と襲来する事態になっており、経済的被害は予想を上回る可能性がでてきている。債務上限の適用停止とともに予算案で合意できたことは、問題の先送りとの見方も強い。米実体経済のリスク、トランプ政権の政治リスク、北朝鮮リスクなど内憂外患の状況になっている。ドル相場は米国内と外部環境の両面から圧迫されやすくなっている。

 ドル円はこの足元でサポートされてきた108円台前半を割り込んでいる。ユーロドルは再び1.20台の節目水準を上回っている。米10年債利回りは2.01%台まで水準を下げてきており、ドルの下値を追いやすい状況となっている。日本の輸出企業にとっては6月日銀短観での想定為替レート108.31レベルよりも円高水準となっており、不利な為替水準となっている。悪材料が山積。この後の海外市場では、戻り水準を丹念に見極めたいところ。

 ロンドン時間には、英国の鉱工業生産(7月)、製造業生産高(7月)、商品貿易収支(7月)などが発表される。NY時間には、カナダ雇用統計(8月)、米卸売在庫・確報値(7月)が発表される。ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁の講演が予定されている。
 
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明  

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。