今週のまとめ7日24日から7月28日の週

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 24日からの週は、米国関連の材料が多かった。最も注目されたのが米FOMCだった。市場予想通り、金融政策は据え置かれたが、声明でのインフレの関する判断がやや慎重に傾いたことに市場は敏感に反応。株高とともに為替市場ではドル売りの動きが広がった。週前半はトランプ政権のロシアゲート問題が話題となり、リスク回避ムードがみられるなど政局にも神経質だった。オバマケア関連の法案はことごとく議会で否決されており、トランプ政権の運営能力に疑問が広がっている。ムニューシン米財務長官が通商政策に関連して市場介入について言及するなど、不透明感が広がった。米株は好決算もあって主要3指数とも最高値を更新したが、週後半にはハイテク株が反落するなど不安定な面もあった。

 ドル売りの流れが目立ったのがユーロドルで、1.17台後半まで高値を伸ばした。豪ドル/ドルは一時節目の0.80を上回った。ポンドドルは1.31台半ばまで上昇。そのなかで、ドル円相場は110円台後半から112円台前半で振幅、神経質な値動きだった。日本の政局が一気に不透明になっている。蓮舫民進党党首に続いて、稲田防衛相の辞任が発表され、支持率低下で頭の痛い安倍政権には打撃となった。

(24日)
 東京市場は、ドル円が一時110円台に下落。前週末の海外市場で111円ちょうど近辺まで下げた流れを受けて、週明けのドル安・円高の動き。午前には110.77近辺まで下押しされた。週末の世論調査で安倍政権の支持率が大きく低下したことがリスク材料となった面も。その後は、米債利回りの回復とともにドル安圧力は緩和、111円台を回復している。ユーロドルは序盤にユーロ買い・ドル売りもその後は一服。

 ロンドン市場では、総じてドル売りが優勢。ドル円は再び安値を広げ、110.62レベルと6月15日以来の安円をつけて。週明けの欧州株が軟調にスタート、加えてトランプ政権のロシアゲート疑惑をめぐる不透明感もリスク警戒感を広げた。ポンドドルや豪ドル/ドルは本日高値を伸ばしており、ドル売りの動き。ポンド円や豪ドル円も連れ高。一方、ユーロドルは1.16台前半へと上昇一服。7月のドイツ製造業PMIが予想を下回り、ユーロ相場への重石となった。

 NY市場では、ドル売りが一服。米国債利回りがNY時間に入ってプラスに転じたことがドル買い圧力。あすからのFOMCや週末の米GDP速報値の発表を控えてドルショートに巻き返しが入った格好。ドル円はストップを巻き込んで111.30近辺まで上昇。ユーロドルは利益確定売りが優勢となり、1.16台前半まで下落。ただ、ユーロには上値期待も根強く、1.16台は堅持されている。
 
(25日)
 東京市場は、方向感に欠ける取引。ドル円は朝方に111.34近辺と前日NY高値を上回ったが、その後はジリ安となり午後には111円台を割り込んだ。米10年債利回りの低下がドル円相場を圧迫した。神経質な値動きをみせたのがNZドル。南部サウスカンタベリー州で発生したマイコプラズマ感染症の報道で一時値を落とす場面も。もっとも、すぐに値を戻すなど影響は限定的。豪ドルやユーロは午後に入ってから対ドルで上昇。

 ロンドン市場では、円売りが優勢。欧州株高や原油高でリスク動向が改善。ドイツIfo企業景況感指数は116.0と1991年以降の最高水準となったことも好材料だった。ドル円は朝方に110円台後半に下押しされたあとは111円台を回復、取引中盤には111.46レベルまで上昇。クロス円も堅調。ユーロ円は130円手前、ポンド円は145円台乗せ。ただ、ポンドは英製造業受注指数が予想を下回り、伸び悩んだ。

 NY市場では、ドル買い・円売りが優勢。ドル円は100日移動平均線を上回り、112円手前まで一段高。米株式市場でダウ平均が最高値を更新したことが下支えとなった。ユーロ円は130.50近辺、ポンド円は145.85近辺まで買われた。ユーロドルは一時1.17台乗せと、2015年8月以来の高値水準となった。その後は1.16台後半へと上昇一服に。1.17台乗せでは相当額の売り注文が消化されたもよう。

(26日)
 東京市場は、ドル買いが継続。ドル円は朝方に112円台乗せから112.09レベルの高値をつけた。その後の押し目は限定的で揉み合いに。米債利回りは低下したが、前日の海外市場からのドル買い圧力が残った。豪ドルは軟調。豪州消費者物価指数が予想を下回り0.7935近辺から瞬間的に0.7890台へ下落。その後0.79台を回復するが、豪中銀総裁による豪ドル高牽制発言もあり、再び0.78台へ値を落としている。

 ロンドン市場は、米FOMC待ちで小動き。ドル円は111円台後半での揉み合い。米債利回り低下が重石だが、欧州株やNY原油先物相場は堅調で、リスク動向は安定的。欧州通貨はポンド買い・ユーロ売りが優勢。ユーロドルは上値が重く1.16台前半へとジリ安。一方、ポンドドルは1.30台後半へと買われる場面があった。英第2四半期GDPは事前予想通りの結果で反応しにくかった。東京タイムに下落した豪ドルは序盤に一段安も、その後は欧州通貨とともに買い戻し。豪ドル円は88円台半ば、豪ドル/ドルは0.79台を回復。

 NY市場では、FOMCの結果を受けてドル売りが強まった。政策自体は大方の予想通り据え置きだったが、声明での現状認識のインフレの表現がハト派寄りに若干変更されたことに敏感に反応している。一方、バランスシート縮小については前回に引続き、比較的近い時期に開始と言及しており、9月の可能性は高い。ドル円は発表前には112円台を回復していたが、発表後は一時111.05近辺まで急落。ユーロドルは1.17台に上昇、2015年8月以来の高値水準となった。

(27日)
 東京市場は、序盤にFOMCを受けたドル売りが継続。ドル円は110.78レベルまで下押し。その後は111円台を回復。民進党の蓮舫代表が辞意を表明との一部報道が円売りを誘った面も。ユーロドルは1.1777レベルと2015年1月以来の高値水準となった。その後は1.17台前半に。

 ロンドン市場では、ドル買い方向に調整。ドル円は111円台を回復すると111.44レベルまで上昇。欧州株高でクロス円も上昇。ロンドン時間には稲田防衛相が辞任の意向固めるとの報道があった。ユーロドルは1.1702レベルまで反落。一方、ポンドドルは1.3150超え水準まで上昇、英CBI小売調査指数の大幅改善が好感された面も。ユーロポンド売りが入っていた。ユーロスイスは1.12台乗せ、2015年1月15日のスイス中銀ショック以来の高値水準に。ECBとスイス中銀の金融政策スタンスの差が意識されたとの見方がった。

 NY市場では、後半に円買いの動きがみられた。ムニューシン米財務長官が通商政策に関連して介入の可能性を指摘したことや、米株式市場でハイテク株が売られナスダック指数が急落したことなどが材料視された。序盤に米耐久財受注の強い結果を受けて111.70近辺まで買われたドル円は、110円台に再び下落する場面があった。ユーロドルはロンドン時間からの流れを受けて1.16台に下落。

(28日)
 東京市場では、ドル円が111円を挟んで神経質に上下動。ドル円は111.30近辺で朝の取引を迎えた。東京勢の参入で再び111円割れまで下落。その後は安値圏での揉み合いに。米国産冷凍牛肉の関税引き上げ(セーフガード)の報道が円高に繋がった面も。東京時間にはめずらしくスイスフラン売りが強まった。ユーロスイスは一時1.13台後半と2015年1月のユーロスイスでの中銀介入水準撤廃以来のスイス安圏。

 ロンドン市場では、ドル円、クロス円がジリ高となっている。いずれも前日NY市場での下落を戻す方向の動き。きょうは第2四半期の米GDP速報値の発表を控えており、週末を控えていることもあってポジション調整が優勢。欧州株は全般に下落しており、リスク動向は不安定だが、為替市場では円売りに。ユーロスイスは一時1.1380近辺と一段高。ドイツ消費者物価指数・速報値が発表時刻を早めて発表された。前年比+1.7%と予想を上回ったが、ユーロ買いの反応は限定的。

 NY市場はこの日の米経済指標を受けてドル売りが強まった。ドル円も一時110.55近辺まで下落した。110円台に入ると押し目買いも出るものの、111円台が次第に重くなっている雰囲気も見られる。今週の安値110.50水準が下値サポートとして意識されるが、この水準を割り込むようであれば心理的節目の110円割れも警戒される。 

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