【これからの見通し】欧州はECB議事録、米国は雇用統計前哨戦に注目 明日の米雇用統計発表を控えて、きょうはやや落ち着かない相場となるか。米国ではその前哨戦となるADP雇用者数(6月)が注目されそうだ。事前予想は18.5万人増程度となっており、予想外の強い結果だった前回の25.3万人からは伸びが落ち着く見込み。ただ、金曜日の非農業部門雇用者数とは相関性は意外にも低く、ADP統計の結果どおりにはならないことも多い。その他、新規失業保険申請件数(1日までの週)、貿易収支(5月)、MBA住宅ローン申請指数(30日までの週)、ISM非製造業景気指数(6月)などの米指標が発表される。 ロンドン時間にかけてウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁の講演が予定されている。昨日のFOMC議事録ではバランスシート縮小の開始時期については意見が分かれていた。一方、インフレ鈍化は特殊要因によるものとの認識が確認されており、ややドル買いに反応していた。市場を動意付かせるほどの内容ではなかった。今後も丹念に各FOMCメンバーの発言をチェックしていく必要がありそうだ。 欧州では6月8日分のECB議事録が公表される。ほぼ1ヶ月前のイベント内容とあってやや古い面もあるが、一段の追加利下げの可能性の文言が削除されたガイダンスの変更が再認識されればユーロ買いが喚起される可能性はある。最近のドラギECB総裁のリフレ発言などでユーロ相場は上方に水準修正した経緯がある。一方で、インフレ見通し引き下げやECB専務理事からのバランスを重視する姿勢などが強調されれば、ユーロ買いは一服に。 昨日はロンドン時間に原油相場が急落した。やや早いタイミングで報じられていたロシアの追加減産に反対との報道が材料視されていた。ただ、8連騰のあとで在庫統計のイベント前に調整圧力が働いた面も無視はできないだろう。きょうは、その米EIA石油在庫統計が発表される。 足元の相場展開は、北朝鮮リスクがこれまで以上に気にされており、円安や株高の動きは神経質な揉み合い商状となっている。再び方向性がでてくるための材料探しの段階となっているもよう。 みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
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