【これからの見通し】方向性スッキリしない1週間、きょうは米金融当局者発言多い

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】方向性スッキリしない1週間、きょうは米金融当局者発言多い

 今週は相場の方向性が明確ではなかった。原油相場の下落が最も目立つ動きとなっており、その影響がリスク回避圧力として波及した。株式市場の調整を受けて米債利回りがやや低下する一方で、ドル円以外の各主要通貨ではドル高の動きが優勢。クロス円の下押しに各通貨が上値を抑えられる図式となっている。ドル円はドル高と円高のせめぎ合いとなって、111円台からは離れにくい相場が続いている。

 週初はダドリーNY連銀総裁が今後の利上げに前向きな発言を行ったことでドル円にもドル買いの動きが勢い付いたが、その後は原油安と株安の動きに上値が抑えられている。また、年内の米利上げについてはインフレ上昇見通しの鈍化の影響もみられている。CMEフェドウォッチによると今年12月会合での利上げ確率は5割をやや下回る程度。きょうはブラード・セントルイス連銀総裁、メスター・クリーブランド連銀総裁、パウエルFRB理事などの講演が相次ぐが、タカ・ハトに見方が交錯しそうだ。

 経済統計は、ロンドン時間には、フランスGDP・確報値(第1四半期)、ドイツとユーロ圏の製造業および非製造業のPMI・速報値(6月)、NY時間には、カナダ消費者物価指数(5月)、米新築住宅販売件数(5月)などの発表が予定されている。

 ユーロドル相場は1.11台に落ち着いており、インフレの伸び鈍化もあってECBの出口戦略への関心は足元で薄れてきている。ドル相場と同様に、ユーロ相場も強弱感が交錯しており、丹念にファンダメンタルズ状況をチェックする段階になっているようだ。

 カナダドルは原油安で軟調な推移となっているが、前日の強いカナダ小売指標を受けて買いが息を吹き返している。カナダ中銀当局者が利上げに前向きな発言を行ったことで強い経済統計には反応しやすい面がありそうだ。今日の消費者物価にも注意しておきたい。

 米新築住宅販売件数(5月)は59万件程度の予想となっており、前回から増加する見込み。今週は中古住宅販売や住宅価格指数などがいずれも強めの結果となっており、その線に沿った結果が期待されている。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明   

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