【これからの見通し】英総選挙で保守党が過半数に届かず、波乱続くか 昨日は、ECB理事会、コミー前FBI長官証言、英総選挙と三大イベントが行われた。ECB理事会と前FBI長官証言に関しては、欧州株や米国株の反応が示すように、穏当な結果を市場には受け止められていたようだ。ダウ平均株価は一時最高値を更新し、その後は伸び悩んだが、前日比小幅高で引けていた。きょうの日本株も日経平均が104円高と週末にしては堅調な相場で引けている。ポンド相場の急落を横目ににらみながら、ドル円相場は110円近辺で落ち着いた値動き。 問題は英総選挙結果。出口調査やその後の開票速報などで保守党が過半数を確保できないことが確定している。第1党の地位はゆるぎないとみられているが、今後はメイ英首相の責任問題・辞任などが取り沙汰されている。きょう日本時間午後6時にメイ首相が演説を行う予定との一部報道があったが、保守党報道官がこれを否定するなどニュースも混乱している。 ポンド相場は東京早朝の薄商いの時間帯に急落し、その後の戻りは限定的。足元ではポンドドルが再び1.27台割れ。値動きからするともう一段の下値トライの可能性がありそうだ。英連立政権が難航する可能性など、不安材料は多い。一方で、薄商いで急落したことで、短期筋は安値付近で売りポジションを抱えているとの見方もあり、下落一巡後のやれやれの買戻しにも注意が必要。ポンド関連の通貨の短期ボラティリティーは引き続き高水準で推移しており、市場の神経質な動きが想定される。 米金融当局者が来週のFOMC会合を控えてブラックアウト期間に入っており、講演予定などはない。経済統計では、英国で製造業生産高(4月)、鉱工業生産(4月)、商品貿易収支(4月)などが発表される。また、カナダでは失業率・雇用者数(5月)、設備稼働率(第1四半期)、米国では卸売在庫・確報値(4月)が発表される予定。 みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
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