ポンドの上値重い、英テロや消費マインド低下で=ロンドン為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
ポンドの上値重い、英テロや消費マインド低下で=ロンドン為替概況

 23日のロンドン市場は、ポンドの上値が重い。昨日発生した英マンチェスターでの自爆テロがポンド売りを誘っている。この日、メイ英首相は北イングランド最悪のテロだ、と表明した。また、英国関連の経済統計も重石。4月の英公共部門純借入額(財政赤字に相当)が予想を上回る96億ポンドとなった。また、5月の英CBI流通調査指数が+2と、前回の+38から予想外の大幅な落ち込みとなった。物価上昇が懸念されており、消費マインドの回復が一時的だったことが示されていた。ポンドは対ユーロを中心に軟調な動き。ユーロポンドは0.8650近辺から一時0.8670台まで上昇。ポンドドルは1.30台が重くなっており、ロンドン序盤には1.2950台へと下押し。ポンド円は144円割れとなったあと買い戻しが入っているが144円台半ばは重い。

 対するユーロは底堅い値動き。ユーロドルは1.1268近辺に高値を伸ばし、前日高値を上回って昨年11月9日以来の高値水準となった。ユーロ円は125円を挟んだ振幅となったが、一時125.39レベルに本日の高値を伸ばした。この日発表された一連の欧州PMIが引き続き高水準だったことや、ドイツの5月Ifo景況感指数が114.6と前回4月の113.0から大きく上昇。1991年以来の高水準となるなどなどがユーロ相場の下支えとなっていた。前日にメルケル独首相が、ユーロは弱すぎる、と発言したあとのユーロ買いが継続している。

 ドル円は序盤に111円を割り込んだが、すぐに111円台を回復。ただ、上値も111.30台までと限定的。欧州株は英テロの影響で寄り付き時に下げたものの、すぐにプラスに転じており、リスク回避の動きは後退。昨日のユーロ圏財務相会合でギリシャ支援合意が見送られたことで、ギリシャ株は軟調だが、全体のムードには影響していないようだ。

 このあとのNY時間には米予算教書が発表される。また、あすにはFOMC議事録が公表される。ドル相場にとっては米国の両イベントを見極めたいとのムードがあるようだ。米10年債利回りは序盤の低下は一服、2.24%台で取引されている。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明   

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