ドル円は一時110円台に下落も株高がサポート=NY為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 きょうもNY為替市場はドル売りが優勢となった。市場ではトランプ大統領の経済政策への執行力に疑問も高まっておりドルの上値を重くしてる。ユーロにフローが集中しており、ユーロが上昇する中、ドルは相対的に売り優勢の動きが続いている格好。

 ドル円も上値の重い展開で、一時110円台に下落する場面が見られた。ドル指数は約半年ぶりの安値水準まで下落。ただ、ドル円は直ぐに111円台に戻している。トランプ大統領のロシア疑惑に関しては市場も一旦、やり過ごしている感もあり、米株は底堅い動きを続けていたことから、ドル円はサポートされていた。

 ただ、トランプ大統領の支持率は下げが続いており、ギャラップの調査によると、トランプ大統領の支持率は37%まで低下している。不支持率は56%で変わらず。

 また、一時は6月の米利上げへの不安も高まっていたが、CMEのFEDウォッチでは6月利上げの確率を78%まで再び上昇させており、80%手前まで戻している。

 きょうはカプラン・ダラス連銀総裁の発言が伝わっていたが、従来と変わらず、今年あと2回の利上げが適切との認識を示した。3、4月のインフレ低下はトレンド弱まりを示していないとの見方も示している。ただ、反応は限定的。

 ユーロ買いがきょうも続いており、ユーロドルは一時1.1260近辺と昨年11月以来の高値水準を更新している。きょうはメルケル独首相が「ユーロは安過ぎる。それが独の貿易黒字を拡大させている」と、火に油を注ぐような発言を手掛かりにユーロは買いが加速した。さすがに過熱感は否めず、過熱感を示すテクニカル指標であるRSIは買われ過ぎの水準である70を上回る推移が続いている。

 この動きに短期的な警戒感を示す声も出てきているようで、米独10年債利回り格差から考えれば、ユーロドルの適正水準は1.10を下回り、現在の水準は短期的に行き過ぎとの声も聞かれる。FRBが正常化に向けた動きを止める気配はなく、トランプ政権の不透明感が後退すれば、いずれドルが再評価されると指摘していた。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美 

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