【これからの見通し】東京市場はリスク回避一服、海外市場ではどうか

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】東京市場はリスク回避一服、海外市場ではどうか

 市場の関心はトランプ政権の存続という大きなテーマに向けられている。一連の機密漏えい問題に関連したトランプ大統領の言動が波紋を広げており、一部では弾劾や辞任なども取り沙汰される事態となっている。前日のNY株式市場ではダウ平均が今年に入って最大の下げとなっていた。市場関係者の間には、最高値更新のあとで利益確定にとって恰好の理由付けとなったとの声がでていた。基調としての株高は健在とのニュアンスが感じられた。

 また、為替市場ではリスク回避的な円買いの動きが強まり、前日のNY市場でドル円は110円台に突入、そしてきょうの早朝の市場では110.38レベルまで下値を広げる場面があった。ただ、その後は円買いは一服しており、ドル円は111円台前半へと戻してきている。足元では米株先物が夜間取引でやや反発しており、パニック的な動きは一服。

 しかし、ドル円相場にしても米株にしても前日の下げを取り戻すにはまだ遠い状況。反発一巡あとの動きが警戒されるところだ。ドル指数は97台まで低下しており、これはちょうど昨年の米大統領選のあった11月8日直後のパニック相場の水準に戻った形。ドル指数だけを通してみると、トランプ相場が終了したことになる。

 トランプ政権関連の報道が気掛かりとなる状況に変わりはないが、きょうは通常のイベントも多い。経済指標は、英小売売上高(4月)、米新規失業保険申請件数(13日までの週)、米フィラデルフィア連銀製造業景況指数(5月)、米景気先行指数(4月)などが発表される。米主要企業決算では、ウォルマート、ギャップなど小売企業が注目される。金融当局者発言では、ドラギECB総裁などECB関係者やメスター・クリーブランド連銀総裁の講演が予定されている。米上院銀行委ではムニューシン米財務長官が証言を行う。ECB理事会議事要旨(4月26-27日分)も公表される予定。このところのユーロ高の背景としては、ユーロ圏の景気回復やそれに伴うECB出口戦略への思惑などがあり、ドイツ側からのプレッシャーが再び出てくる可能性はある。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明 
 

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