今週もドル円は戻り売りが優勢となり108円台に下落している。一時108.60円付近まで下落していたが、現状はその水準はサポートとなった模様。ドル円は3月下旬に108円台半ばが強いサポートとなり、その後に3月末にかけて上昇が加速していた。108円台半ばの水準を試すのはまだ、抵抗感があるのかもしれない。 今週は米消費者物価指数(CPI)や米小売売上高など重要指標が発表になっていたが、いずれも強い内容となった。市場の米インフレや回復期待を裏付ける内容だったと思われるが、為替市場は素直にドル高の反応を示さず、米国債利回りも逆に下げの反応を示していた。FRBが慎重姿勢を維持する中で、強い米経済指標によるドル高はしばらくないとの見方も出ている。新たな手掛かり材料もないことから、短期的にドル高は期待しにくいという。 確率は下向きの可能性を高めている。4月末までに108円を付ける可能性は先週の28.9%から45.5%に上昇した。ただ、今週は一時108.60円付近まで下落したが、4月末まであと2週間を残す中で45.5%というのは、確率としては低めに見ている印象もある。5月末までであれば、69.1%と高い。 ドル高の動きが完全に後退する中で、反転にはまだ時間がかかりそうな雰囲気もあるが、ここに来て若干下値に慎重になってきている面もあるのかもしれない。下げはまだ続きそうな気配だが、ここから先は慎重なアプローチも必要になるのかもしれない。 ◆来週以降4月30日までに各ポイントを1度でも付ける確率 ()は先週末 113円: 0.0%( 3.5%) 112円: 0.3%(13.8%) 111円: 4.3%(39.3%) 108.80円(週末終値) 108円:45.5%(28.9%) 107円: 9.2%( 8.8%) 106円: 0.8%( 1.8%) ◆来週以降5月30日までに各ポイントを1度でも付ける確率 ()は先週末 115円: 0.2%( 3.1%) 114円: 1.0%( 7.8%) 113円: 3.6%(17.2%) 112円:10.9%(33.5%) 111円:26.7%(57.8%) 108.80円(週末終値) 108円:69.1%(50.2%) 107円:36.9%(27.8%) 106円:15.9%(13.3%) 105円: 5.4%( 5.4%) ※ドル円のオプション取引から算出 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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