【これからの見通し】きょうはECBの戦略点検に注目、予想以上の内容でるのか

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】きょうはECBの戦略点検に注目、予想以上の内容でるのか

 きょうは6日から実施されたECB戦略点検特別会合の結果内容が公表される。時刻は日本時間午後8時。続いて同9時半からはラガルドECB総裁の記者会見が予定されている。

 新型コロナ対応のために戦略点検についての決断が遅れていたが、ようやく大枠が示されることになる。長らく続いた作業だけあって、すでにインフレ目標の定義の変更については十分に市場に認識されている。これまでの2%をやや下回る水準との表現から、2%を挟んでシンメトリカルな(対称的な)範囲へと変更される方針だ。具体的には2%を上回る水準の継続がある程度容認されるとするもの。

 市場に与える効果は、利上げ開始の条件が厳しくなることで、緩和策継続のより強いメッセージとなる。足元では、ユーロドルが下落圧力を受けている局面でもあり、想定内のこととはいえ、改めてユーロ売りに反応する可能性がありそうだ。市場は、緩和期間などで、より緩和方向に踏み込んだ内容を期待しているのかもしれない。その場合には、ユーロ売りが一段と加速しそうだ。

 ただ、注意したいのは、ECBから想定外の緩和強調メッセージが出た場合は、株式市場は好反応を示すだろう。その場合、円安・ドル安の圧力につながることが考えられる。短期的にはユーロドルやユーロ円に買い戻しが入る可能性もある。株式市場など関連マーケットの反応もよく観察する必要がありそうだ。

 この後の海外市場で発表される経済指標は、米新規失業保険申請件数(3日までの週)が注目される。今回の予想は35万件と、前回の36.4万件から一段と減少する見込み。米国経済の回復基調が示されることが期待されている。

 発言イベント関連では、ラガルドECB総裁記者会見のほかには、デコス・スペイン中銀総裁の講演が予定されている。また、ECB議事録(6月9日-10日開催分)が公表される。米週間石油在庫統計が発表される。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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