「米国のシグナル好転を背景に2万9000円固めからの一段のリバウンドに期待」 今週の日経225先物は2万9000円固めを意識しつつ、一段のリバンドへの期待が高まりそうだ。15日の米国市場では主要な株価指数が続伸し、NYダウは9月半ば以降、上値抵抗線として機能していた75日移動平均線を明確に上放れた。また、S&P500、ナスダックも、先週後半以降の上昇で25日、75日線を突破し、シグナルが好転。 決算発表が本格化するなか、ゴールドマン・サックス・グループの予想を上回る決算などで投資家心理が改善したうえ、9月の米小売売上高が前月比0.7%増と市場予想(0.2%減)に反して増加したことも買い安心感につながった。さらに、米政府は11月8日から外国人の陸路・空路による入国について、新型コロナウイルスワクチンの接種を条件に全面的に解禁すると発表しており、経済活動の正常化への期待が一段と高まった。 シカゴ日経平均先物清算値は日中大阪比65円高の2万9185円だった。週初はこれにサヤ寄せする格好から買い先行で始まることになろう。日経225先物はナイトセッションで一時2万9260円まで上昇し、目先のターゲットだった25日線(2万9210円)を回復しており、いったんは達成感につながる可能性があろう。ただし、米国市場の強い上昇が支援材料となるためショートは仕掛けづらく、押し目買い意欲が強まりやすいと考えられる。25日線を明確に支持線に変えてくることで、今後は累積出来高が積み上がっている2万9700円~3万円水準の下限レベルまでのリバウンドを試す動きに期待したい。 また、10月第1週(10月4日-8日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週ぶりに買い越しており、買い越し額は141億円(前週は1兆7569億円の売り越し)だった。現物株は4653億円の買い越し(同4889億円の売り越し)と4週ぶりに買い越しており、先物は4511億円の売り越し(同1兆2679億円の売り越し)で3週連続の売り越しだった。先物は売り越しながら、売り越し額が9月第5週(9月27日-10月1日)でピークを打ったとみられる一方で、先週の日経平均株価が1000円超の上昇をみせたことを鑑みれば、10月第2週に海外投資家は先物においても買い越しに転じたであろう。 先週の手口面ではBfoAによる買いが目立っており、日経225先物は1040枚程度、TOPIX先物では8200枚を超えていた。推定の建玉については日経225先物、TOPIX先物いずれも買い越しに転じたと推定される。また、先週はABNアムロ、ソジェンなど裁定に絡んだ先物売りが目立っており、BfoAによる買いに加えて裁定買い(先物売り・現物買い)のトレードが相場を押し上げた格好であろう。そのほか、JPモルガン経由の買い越しも目立っていたため、改めて海外投資家が買い越し基調を強めてくるか注目される。なお、クレディスイス経由による売り越し基調は継続しているものの、週を通じては日経225先物を1200枚程度買い戻しているほか、TOPIX先物の売りは1000枚程度であり、仕掛け的な動きはなく、NTロング(日経225先物売り・TOPIX先物買い)のトレードの範囲内だった。 VIX指数は16.30に低下し、9月上旬以来の水準まで低下しており、リスクオンの状態である。米国では今週300社以上の決算発表を控えており、ネットフリックスなど大型テック株の決算なども含まれているため楽観視はできないが、ショートは仕掛けづらいだろう。また、中国の不動産市場を取り巻く信用リスクに関しては、15日に償還を迎えていたキン苑が2億2900万ドルのドル建て社債についてデフォルトを回避した。さらに恒大地産集団は19日に償還を迎えている人民元建て債の利払いを実施すると発表している。こちらも依然として不安要因ではあるが、目先的には米国市場の足元の回復基調に市場の関心が集まりやすいほか、国内では新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が第1回目の緊急事態宣言時の水準まで減少している点も支援材料となる。加えて、選挙戦のなかで変革を期待する海外投資家の買いも期待材料となろう。 経済スケジュールでは、18日に中国7-9月期四半期国内総生産(GDP)、中国9月小売売上高、19日に米国9月住宅着工件数、20日に米国地区連銀経済報告(ベージュブック)、21日に米国10月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、22日に米国10月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値、米国10月サービス部門PMI速報値などが予定されている。 ――プレイバック・マーケット―― ●SQ値 1月限 日経225 27774.95 TOPIX 1832.70 2月限 日経225 29718.77 TOPIX 1940.02 3月限 日経225 29282.41 TOPIX 1930.42 4月限 日経225 29909.73 TOPIX 1961.13 5月限 日経225 27748.22 TOPIX 1871.53 6月限 日経225 29046.40 TOPIX 1958.82 7月限 日経225 27726.72 TOPIX 1897.15 8月限 日経225 28093.15 TOPIX 1958.27 9月限 日経225 30085.93 TOPIX 2065.84 10月限 日経225 28098.14 TOPIX 1967.56 ◆日経225先物(日足) 始値 高値 安値 清算値 前日比 21/12 10月15日 28620 29150 28590 29120 +550 21/12 10月14日 28120 28590 28070 28570 +430 21/12 10月13日 28070 28380 27990 28140 +50 21/12 10月12日 28520 28780 28090 28090 -410 21/12 10月11日 28080 28600 27900 28500 +380 ◇TOPIX先物(日足) 始値 高値 安値 清算値 前日比 21/12 10月15日 1990.0 2028.5 1989.5 2028.0 +39.5 21/12 10月14日 1971.0 1988.5 1967.5 1988.5 +16.5 21/12 10月13日 1972.0 1993.5 1971.0 1972.0 -2.0 21/12 10月12日 1997.0 2013.5 1974.0 1974.0 -21.0 21/12 10月11日 1962.0 1997.5 1959.0 1995.0 +29.0 ●シカゴ日経平均 円建て 清算値 前日比 10月15日(12月限) 29185 +65 10月14日(12月限) 28730 +160 10月13日(12月限) 28195 +55 10月12日(12月限) 28160 +70 10月11日(12月限) 28475 -25 ※前日比は大阪取引所終値比 □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額) 売り 前週末比 買い 前週末比 10月08日 236億円 +173億円 1兆2098億円 -578億円 10月01日 62億円 -88億円 1兆2676億円 -1570億円 09月24日 151億円 -1001億円 1兆4247億円 +2105億円 09月17日 1152億円 -111億円 1兆2141億円 +3800億円 09月10日 1264億円 -1239億円 8341億円 +2063億円 09月03日 2503億円 +1594億円 6277億円 +1482億円 08月27日 909億円 -3003億円 4795億円 -1295億円 08月20日 3913億円 -626億円 6090億円 -689億円 □裁定取引に係る現物ポジション(株数) 売り 前日比 買い 前日比 10月13日 276万株 -7万株 3億7675万株 -306万株 10月12日 283万株 -29万株 3億7981万株 -3383万株 10月11日 312万株 -246万株 4億1365万株 -536万株 10月08日 558万株 +2万株 4億1901万株 +1733万株 10月07日 556万株 +124万株 4億0167万株 +1323万株 10月06日 431万株 +158万株 3億8844万株 -1740万株 10月05日 273万株 +180万株 4億0584万株 -1907万株 10月04日 93万株 -54万株 4億2492万株 -97万株 10月01日 147万株 +5万株 4億2589万株 -4532万株 09月30日 142万株 +55万株 4億7122万株 -5375万株 09月29日 86万株 -1613万株 5億2497万株 -16万株 ■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分) 11月13日 701億円 11月18日 701億円 12月21日 701億円 12月22日 701億円 12月30日 701億円 1月4日 501億円 1月15日 501億円 1月20日 501億円 1月28日 501億円 2月26日 501億円 3月4日 501億円 3月5日 501億円 3月22日 501億円 3月24日 701億円 3月30日 501億円 4月21日 701億円 6月21日 701億円 9月29日 701億円 10月1日 701億円 株探ニュース
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