ドル円は下値での買い圧力が依然として強い 114円台を堅持=NY為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 きょうのNY為替市場、ドル高が一服する中でドル円はロンドン時間に113円台に値を落とす場面がみられた。ただ、下値での買い圧力は依然として強く、NY時間にかけて114円台に戻している。過熱感を測るテクニカル指標であるRSIは75に再び上昇し、買われ過ぎ感は否めない。戻り売りが出ても致し方ないところではあるが、ドル円は大きな心理的節目の115円を視野に上値期待を強めているようだ。

 ただ、ドル自体は軟調な動きが見られ、ドル円の上値を圧迫している。しかし、現在のドル安は短期で終わるとの指摘も出ている。あくまで現在の下げは直近までの投機的なドル買いに対する調整の範囲内だという。FRBの来年の利上げ期待を考慮すれば、ドル安は長続きせず、中期的にはドル高の流れが続くとしている。ドルロングの積み上げ後に、ある程度の調整局面を経た後、市場はファンダメンタルズ要因を再認識するはずだという。

 ユーロドルはリバウンドの動きを続け、1.1670ドル近辺まで一時回復。本日の21日線は1.1620ドル付近に来ているが、その水準を上回ってきており、明日以降の動きが注目される。

 ECBは来週28日の理事会で、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)後の金融政策調整のヒントを示してくる可能性があるとの見方も出ている。市場では、PEPPの来年3月末での終了後は、資産購入プロフラム(APP)の規模拡大で柔軟性を確保するとの見方が有力視されている。しかし、一部のECB理事からは、APPにこだわる必要はないとの見解も出ている状況。いずれにしろ、政策は据え置きが確実視されているものの、12月をにらんだ理事会になるものと思われる。

 ポンドドルは上げ幅を伸ばし、1.38ドル台を一時回復。100日線が1.3810ドル付近に来ているが、その水準に顔合わせした格好。200日線が1.3850ドル付近に来ており、目先はその水準が上値メドとして意識される。

 先週末のベイリー英中銀総裁の発言で市場は年内の英利上げ期待を一気に高めて来ている。11月の利上げ開始を織り込む動きも強まっている状況。しかし一部からは、利上げによりポンドは逆に今後数カ月で下落する可能性があるとの指摘が聞かれる。世界的な成長鈍化、インフレ上昇、量的緩和(QE)策の縮小といった背景を考えると、リスク資産に敏感なポンドは年末に向けて軟化する可能性が高いとう。英経済がより著しく減速し、それがポンドを軟化させた場合、英中銀の引き締めは誤りとみなされる可能性があるとしている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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