きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となっており、ドル円も112円台に値を落としている。前日はパウエルFRB議長の議会証言はタカ派色を強めた印象で、112円台まで調整していたドル円も113円台に急速に買い戻されていた。しかし、きょうの値動きを見た限りでは、買い戻しの動きは維持できておらず、オミクロンをきっかけとした調整の流れは続いている印象だ。 きょうから師走相場に入ったが、今年のドル円は年初から堅調な流れを維持し、115円台を回復する場面も見られた。ドル高はもちろんのこと、株式市場の底堅さもあって、円安もドル円をフォローしたものと思われる。師走相場に入って、これまで積み上げてきたロングポジションの調整やファンド勢のリバランスが出てもおかしくはない。 ただ、前日のパウエル証言を受けてドルに強気な見方も根強い。オミクロン株が今後どう展開するか次第だが、「インフレに関する『一過性』の表現を止める時が来た」との議長のコメントは、年末にかけドルを上昇させる可能性が高いという。議長のコメントは確かに今後のインフレリスクに対する懸念の高まりを示し、資産購入ペース縮小の早期終了への期待感を高めている。それに伴い、年末に向けてさらにドルは買われる可能性があるという。 一方、感染拡大に対する不確実性を考えると、利上げ期待はオミクロン以前のレベルに完全に戻ることは見込んでいないという。 USD/JPY 112.92 EUR/JPY 127.91 GBP/JPY 150.37 AUD/JPY 80.65 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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