「CPIショック警戒し、戻り売りスタンスによる短期ショートでの取引が中心か」 今週の日経225先物は、引き続き米国のインフレ指標の内容に振られやすい需給相場になりそうだ。注目された7日発表の9月の米国雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比26万3000人増加となり、予想ほど増えなかったほか、失業率は3.5%と市場予想の3.7%を下回った。堅調な結果を受けて、7日の米国市場では売りが優勢となり、NYダウ、S&P500、ナスダックの主要株価指数は3日続落。労働需給の引き締まりにより、米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを継続するとの見方が強まり、長期金利が一時3.9%台に上昇する一方、株式市場ではリスク資産を圧縮する動きにつながった。 また、前日の時間外取引で売られていたアドバンスト・マイクロ・デバイシズが13%を超える大幅な下落となったほか、韓国サムスン電子が7日に発表した暫定集計が、7-9月に2019年以来の営業減益となり、市場コンセンサスを大幅に下回ったことも重荷となった。半導体SOX指数は6%を超す下落で直近安値水準まで下げてきた。 先週の週前半に3万ドルを超えたNYダウだったが、25日移動平均線に上値を抑えられる状況のなか、週末の630ドル安で支持線として意識されていた5日線を割り込んでいる。9月30日につけた2万8715ドルが再び意識されてきたことで、12日の米国9月卸売物価指数(PPI)、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨、13日の米国9月消費者物価指数(CPI)、14日の米国9月小売売上高、10月ミシガン大学消費者態度指数などの結果に関心が集まりやすいだろう。特に、これまでCPIショックが続いていることから、9月CPIでも改善が見られない場合、大幅利上げが継続されるとの観測が強まりやすく、波乱含みの相場展開が警戒されそうだ。 シカゴ日経平均先物は日中比385円安の2万6715円で終えたが、日経225先物は祝日取引で一時2万6510円まで売られる場面が見られた。グローベックスの米株先物はNYダウが120ドル安、ナスダック100先物は50pt程度下落して推移しており、コロンバス・デー明けの米国市場の下落が警戒されているようだ。日経225先物は25日、75日線に上値を抑えられる格好での下落となり、ボリンジャーバンドの-1σ水準まで下げているため、まずは-1σが位置する2万6460円辺りで下げ止まりを見せてくるかが注目されよう。この水準を下回ってくるようだと、再び2万6000円水準が意識されやすく、ショートを仕掛けてくる動きが強まることになりそうだ。 VIX指数は31.36に上昇した。25日線水準までの調整を経てリバウンドを見せてきており、6月高値とのダブルトップ形成が意識される9月28日の戻り高値34.88水準を捉えてくる可能性が警戒されて、リスク回避へ向かわせやすいだろう。先週末のNT倍率は先物中心限月で14.22倍だった。10月3日の14.05倍から上昇を見せているものの、AMDの予想を下回る見通しにより値がさハイテク株は手掛けづらくなり、NT倍率は低下傾向を見せてくる可能性がありそうだ。 とはいえ、今週は14日に米国でシティグループ 、JPモルガン・チェース 、モルガン・スタンレー など金融大手の決算を控えていることもあり、NTショートによるスプレッド狙いの動きも限られると見られる。そのため、戻り売りスタンスによる短期的なショートでの取引が中心となる可能性が高い。 9月第4週(9月26日- 30日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週連続で売り越しており、売り越し額は2兆1587億円(前週は6754億円の売り越し)だった。なお、現物は5644億円の売り越し(同1756億円の売り越し)と7週連続の売り越しであり、先物は1兆5943億円の売り越し(同4998億円の売り越し)と3週連続で売り越している。個人は現物と先物の合算で7352億円の買い越しで、3週連続の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で9290億円の買い越しとなり、2週連続の買い越しだった。 経済スケジュールでは、11日に9月景気ウオッチャー調査、12日に8月機械受注、米国9月PPI、FOMC議事要旨、13日に9月国内企業物価指数、米国9月CPI、14日に中国9月貿易収支、中国9月CPI、中国9月PPI、米国9月小売売上高、米国9月輸出入物価指数、米国10月ミシガン大学消費者態度指数などが予定されている。 (2022年10月10日11時 記) ――プレイバック・マーケット―― ●SQ値 01月限 日経225 28266.57 TOPIX 1988.69 02月限 日経225 27835.60 TOPIX 1965.67 03月限 日経225 25457.94 TOPIX 1808.03 04月限 日経225 27122.37 TOPIX 1904.02 05月限 日経225 25951.24 TOPIX 1838.12 06月限 日経225 28122.81 TOPIX 1955.38 07月限 日経225 26659.58 TOPIX 1890.16 08月限 日経225 28525.62 TOPIX 1963.05 09月限 日経225 28253.40 TOPIX 1957.76 ◆日経225先物(日足) 始値 高値 安値 清算値 前日比 22/12 10月07日 27210 27220 26910 27100 -190 22/12 10月06日 27050 27400 26840 27290 +210 22/12 10月05日 26950 27190 26920 27080 +170 22/12 10月04日 26180 26990 26080 26910 +680 22/12 10月03日 26140 26250 25610 26230 +220 ◇TOPIX先物(日足) 始値 高値 安値 清算値 前日比 22/12 10月07日 1918.0 1918.5 1893.5 1905.5 -17.0 22/12 10月06日 1911.5 1931.5 1898.0 1922.5 +11.0 22/12 10月05日 1905.5 1926.0 1905.0 1911.5 +8.0 22/12 10月04日 1845.5 1908.5 1840.0 1903.5 +55.5 22/12 10月03日 1853.0 1860.0 1814.0 1848.0 +5.5 ●シカゴ日経平均 円建て 清算値 前日比 10月07日(12月限) 26715 -385 10月06日(12月限) 27025 -265 10月05日(12月限) 27020 -60 10月04日(12月限) 27170 +260 10月03日(12月限) 26595 +365 ※前日比は大阪取引所終値比 □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額) 売り 前週末比 買い 前週末比 09月30日 3666億円 +1211億円 1兆0350億円 -3778億円 09月22日 2454億円 +603億円 1兆4129億円 -41億円 09月16日 1851億円 -42億円 1兆4171億円 +115億円 09月09日 1893億円 -676億円 1億4056億円 +1795億円 09月02日 2569億円 -82億円 1兆2260億円 -1866億円 08月26日 2652億円 -69億円 1兆4126億円 -490億円 08月19日 2722億円 +30億円 1兆4617億円 +1369億円 □裁定取引に係る現物ポジション(株数) 売り 前日比 買い 前日比 10月05日 9443万株 -653万株 3億2751万株 -2324万株 10月04日 1億0096万株 -113万株 3億5075万株 -623万株 10月03日 1億0210万株 +426万株 3億5699万株 -1131万株 09月30日 9784万株 +3426万株 3億6830万株 -6688万株 09月29日 6357万株 -1093万株 4億3518万株 +1615万株 09月28日 7451万株 +432万株 4億1903万株 +4161万株 09月27日 7018万株 +407万株 3億7741万株 -5240万株 09月26日 6610万株 -482万株 4億2982万株 -6553万株 09月22日 7092万株 +2668万株 4億9535万株 -1167万株 09月21日 4424万株 -18万株 5億0703万株 -603万株 09月20日 4443万株 +6万株 5億1307万株 +918万株 09月16日 4436万株 +8万株 5億0388万株 -861万株 09月15日 4428万株 +30万株 5億1249万株 +175万株 09月14日 4398万株 -26万株 5億1073万株 -689万株 09月13日 4424万株 -8万株 5億1763万株 +461万株 09月12日 4432万株 -0.8万株 5億1301万株 +2445万株 ■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分) 【2022年】 1月14日 701億円 1月25日 701億円 2月14日 701億円 3月07日 701億円 4月07日 701億円 5月19日 701億円 6月13日 701億円 6月17日 701億円 株探ニュース
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