株価指数先物【寄り前コメント】 米インフレピークアウト観測でリバランスに伴うショートカバーが強まる

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 27970 +540 (+1.96%)
TOPIX先物 1972.5 +38.0 (+1.96%)
シカゴ日経平均先物 27975 +545
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 10日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が大幅に上昇。10月の米消費者物価指数(CPI)は、コアCPIが前年同月比6.3%(9月は6.6%)、総合が同7.7%上昇(同8.2%)した。伸びは共に市場予想を下回った。インフレピークアウトが意識されるなか、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの見方が広がった。米長期金利が急低下し、日米金利差が縮小するとの思惑から為替市場では円買い・ドル売りが入り、一時1ドル=140円台半ばへと円高が進行しハイテク株を中心に幅広い銘柄が買われた。S&P500業種別指数はすべて上昇し、半導体・同製造装置、小売、耐久消費財・アパレル、テクノロジー・ハード・機器、不動産の強さが目立った。

 シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、日中大阪比545円高の2万7975円で終えた。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比50円安の2万7380円で始まり、米CPIの発表を控え2万7370円~2万7450円での狭いレンジで推移。その後は米CPIの結果を受けて米国市場が急反発した流れを背景に買いが強まり、一気に2万7800円を回復すると、終盤にかけてさらに上げ幅を広げ、2万7970円とナイトセッションの高値で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、ギャップスタートとなろう。前日までに米CPIショックを警戒したヘッジ対応もあったと見られるため、朝方はヘッジを外すリバランスの動きが先行することになりそうだ。朝方はオーバーシュート気味の上昇になる可能性があり、11月9日につけた2万8010円(ナイトセッションを含む)を捉えてくる展開が期待される。

 ただし、買い一巡後は業績予想の下方修正を発表した東京エレクトロン <8035> [東証P]が指数の重荷となる可能性を見極めたいところだろう。SOX指数の上昇率が10%を超えるなか、下方修正の影響を吸収する動きとなれば、ロングが強まることになりそうだ。日経225先物はオプション権利行使価格の2万8000円を中心に、2万7875円~2万8125円のレンジを想定する。

 もっとも、米長期金利の急低下によって日米金利差縮小に伴うリバランスの動きは意識されそうだ。日経225先物はボリンジャーバンドの+2σが2万8080円辺りに位置しているため、再び過熱感が警戒されてくることも考えられよう。また、週末要因から積極的な上値追いのトレードは手控えられるとみられ、2万8000円近辺でこう着感が強まる局面では、利益確定に向かわせやすい。ただし、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げペースを緩める可能性が高まるなか、ショートポジションは避けて、押し目狙いのロングで対応したい。

 VIX指数は23.53に低下した。朝方は75日移動平均線を上回って始まったものの、その後は急低下した格好である。9月半ば以来の水準まで下げてきたことで、今後は8月半ばの19.12が意識されてくる可能性もあり、リバランスに伴うショートカバーが継続しそうだ。

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